IndexNo:168:ある会社の危機打開戦略
7月末までに前年対比99%で苦戦を続けた売上も、この8月の高相場でいっきに盛り返したのが市場業界ではないだろうか。お盆が終わっても高値は続き、来季のこの時期は売上の面で苦戦するであろう。 会社の危機とは資金ショートの危機であり、危機打開の基本は、当面の運転資金の調達と、短期間での売上アップと大胆なコスト削減である。その売上アップは開発、生産、販売、物流等々のいずれか、ないしすべての部門のだらけた活動の結果、ライバル会社に奪われた顧客を奪い返し、さらにライバル会社の従来からの顧客を奪い取ることで可能となります。それは、武器や暴力こそ使わないが正真正銘の戦いである。 私の友人の会社では、それこそこの危機打開の真ん中に立っているといっても過言でありません。彼は今、そのすべての社員と一緒になって「何としても危機を切り抜けてみせる」という意志をもち、精一杯頑張っている。彼は昨日の電話で私に「部下がついてきてくれているのが危機打開、すわわち勝利の最低条件である。」さもなければ戦略もメリハリを欠き、実行の伴わないものになると・・・・・。 戦略が正しくても、敵前逃亡者がいれば、勝つべき戦いにも負けてしまう。頑張らなければならない時に頑張らず、やろうともせずに「できない」という部下は、軍隊で言うところの敵前逃亡者と同じである。アメリカ陸軍の前線指揮官向けの戦闘マニュアルには、統率の留意点や具体的なテクニックがあれこれ記された上で、「命令を聞かず、逃亡する兵隊には威嚇射撃をせよ。それでもだめなら、殺すことを目的とせず射て」とあります。過激な引用をしましたが、危機打開は食うか、食われるかの戦いを多数のライバル会社に挑むことに他ならないのであります。 |