IndexNo:183:おかしい?現実について、皆さんのご意見を

「花の単価が安い」「あの市場では高値が出ている」などと、言っている生産団体がある。その団体は、市場側には「安い」などと言いながら、直接、安価で量販店に納入している現実の中で市場(仲卸、買参含む)は、方向性を考慮し、取引先を決めなければいけないと思う。弊社では、そのような団体とは取引をしないという方針を打ち出している。しかし、全国の花き市場では、こういった情報すら知らずに、まだ、頭を下げながら荷物を頂いているのが現状である。私は、生産者と花商はフィフティ・フィフティ(5対5)であると思うのだが、前者の出荷団体では、「わが身可愛さ」「自分達だけ良ければ」の方針で、なんら業界のためにはなっていないことを理解していないのである。そういう人間の映し出される鏡はいつも曇っている。

弊社に出荷して頂いている「西都」というところがある。高値、安値ではなく「安定出荷」で弊社の買参人の人気産地である。しかし、ここまで来るのに、かなりの苦労と辛抱があったことは事実であり、安値時の買参の苦労も理解しているのだ。また、県内の某JA産地では、量販店の直接買いを断った経緯もある。担当者いわく、「いままでの付き合いの中で、市場には迷惑と協力を頂いている。それを裏切ってまで取引をしようとは生産者も私たちも思っていない」と・・・。今のように。不景気で厳しい時期こそ、「ガマン」が大切ではなかろうか。

花き業界を大きく変えるために欠かせないのは「本物の人間関係」である。その問題を克服しなければ「高い、安い」「量が多い、少ない」などといってもほとんど成功しない。人間関係と言ってしまうと、いかにも簡単な問題のように考えられることがあるが、簡単なようでいて、一番やっかいなのが、この人間関係なのである。ここでいう人間関係とは、よく言われるように「お互い仲良く〈和〉を尊重し、・・・」というようなものではない。それは、あくまでも結果でしかない。むしろ「うまくやりましょうや。お互い摩擦は避け、もめごとは少なく・・」と言わなければならないのは、絶対に人間関係がうまくいっていない証拠である。

複数の人間が、共通の目標を実現しようと挑む際には、「摩擦」が起きるのは当たり前で、その中で培われるのが本当の人間関係と言えるのである。お互いに切磋琢磨して強烈な意見のやり取りがあってこそ、初めて相手の真剣さが分かるのである。自分も「我慢」「努力」しているが、相手も「我慢」「努力」して真剣勝負で挑んでいるのだと理解できるから、信頼感も生まれてくると思う。「摩擦」を恐れるな。自由奔放な議論を通して、この業界を伸ばさなければいけないのだ。皆様のご意見を頂きたく思います。ogura@chuo-kaki.comまで