IndexNo:185:12月の花景気
昨年の12月は上旬の安値で厳しい状況であったが、今年は更に厳しいようだ。末端の小売が売れない状況が続き、相場に響いた。花商に聞いてみたら「まったく売れない、客が来ない」「完全に不況のあおりを受けている」との意見が多かった。松市(7日)でも、上級品から下級品まで「売れ」が悪かった。明日は企画市(千両、南天、梅)だが、昨年のようには、いかないだろう。こうなると、予対に頼らざる得ない状況で、年々、増え続けていることが、せめてもの明るい光なのかもしれない。 菊類、球根系、草花も、今は我慢の時だろう。高値追いをすることより、中値でどれだけ売っていくかが問題視されてくるだろうと思う。しかし、弊社のHPで予約相対情報に掲載してみると思った以上に完売商品が多く、限られた花商の多くが「勝負」の早さを感じた。とにかく、今年の年末商戦は『自然』が相手となってくると思う。暖冬の12月と言われてきたが、寒い日が続いている。おまけに曇天の日が多く、全体的に、遅れ気味で出荷されている。ここ1週間の天気と気温が20日からの相場を動かしそうである。 花き市場の営業売上の業績が「今月はいくら」という売上数字だとしたら、あとに残るものは何もないだろう。抜群の販売実績は記録として残るし、会社に多大な利益をもたらしたという事実は決して消えることはない。それで満足しようと思えばできるかもしれない。 しかし、営業(セリ人含む)がその場の売上だけを追いかける「売ってなんぼ」の世界だとしたら、やり甲斐を感じるだけの職業とは言えないだろう。営業がめざすべきは、一時の売上ではなく、後々まで評価してくれるお客様づくりである。義理や我慢しながらの「おつきあい」ではお客様でも固定客でもないと思う。 本当に私たちが営業のプロならば、長年のリピートにつながるような活動を、積極的に推進しなければならない。「売ったあとに個々のお客さまにどうするのか」をハッキリと示すことだ。社員任せの「なりゆき営業」を放置してはならないのである。 |