IndexNo:186:弊社の『信用』とはカジュアル菊出荷の意見衝突で決まる。

カジュアル菊の出荷が日曜日にピークになる。毎日、300ケースの出荷、出荷量が昨年の倍はある中で、ここに来て営業担当と小さな事で意見がぶつかる。担当にしてみれば担当者の顧客がいる。私にも私指名の顧客がいるのである。事前の注文、そしてネットでの注文と多くの受注先をもっていると当然のことのように色々な意見が出るのである。Mサイズがない、かわりにLサイズになってしまうことや、品種規格のグラム数が5グラム単位で変わるところもあるので大変だ。しかし、そういう意見のぶつかりあいで、今の信用を築いてきたのかもしれないのだ。来年はもっと増える予想をしている。それは弊社の商品は一人の生産者に何度も足を運び、1ランク上の選別をしているために、年々注文数並びに注文客が増えるのはあたりまえなのだ。自信をもった商品を供給するのが「弊社のこれからの信用」なのである。

現状否定できない大きな理由のひとつは、「現状を否定する必要はない」と思ってしまうことである。つまり、今までのやり方を変えられないのではなく、変えなくてもいいと思い込んでいることなのである。現状に問題がなければ、それが「正解」だと考えてしまうことが、ひとつの落とし穴だと言える。しかし、経営の現場、花き市場の現場には、たったひとつの「正解」はないのである。つまり、問題がないと思われるようなケースでも、その状態がベストだと思ってはならないのである。ベストではなくベターにすぎないのである。

「もっと柔軟な発想を」などとよく言われるが、柔軟な発想は現状を否定することからしか生まれない。あらゆる選択肢の中から、よりベターなものを捜すことを意味するのである。ひとつの意見にこだわることをやめ、あらゆる『異見』に耳を傾けることだ。会議の議論などでも、意見の食い違いで衝突するようなことがあるだろう。しかし、よく考えて欲しい。意見が食い違っていたとしても、会社の業績を伸ばそうという「目的」そのものは同じなのである。

議論することの意味は、誰の意見を採用するかを決めることなどでもない。どのやり方が会社にとって一番良い結果を生むのか、を全員で考える場であることは言うまでもない。むしろ、反対意見ほど、見るべき点、検討すべき点、こちらが学ぶべき点があるはずだ。あまり、深い考えのない賛成「意見」よりは、自分が考えなかった視点からの反対『異見』、それは「間違っている」とさえ思える意見の方が尊重であることを忘れてはならない。

『絶対に正しい』というのは間違った意見である。「経営、現場にたったひとつの正解はない」と言われるが言い換えると正解はたくさんあるということ。現状を変える『異見』にこそ価値があると私は思う。