IndexNo:193:花き市場社員に舞台を与える

先日、先輩であり、ある会社の社長のオーナーであるA氏とお会いする機会があった。A氏は最近の20代の若い世代のことをしきりに言われていた。「いや!○○○○です。」事あるごとに「いや・・・・」と。私も経験はしているが、何故、すぐに「いや・・・」が先に出るのであろうか。ある営業の社員に「何故、素直に返事ができないか」聞いてみたのである。社員は「口癖なんです」「これから直します」と。その社員は自覚しているせいか、「いや・・・」を言わなくなった。

「部下にやる気がない」と嘆いておられる経営者や管理職に会うことが多い。私はこのようなときには「部下は上司の鏡ですよ」と申し上げるようにしている。部下がやる気がないと嘆くまえに、なぜ部下はやる気がないのだろうか、もうちょっと考えるべきだとおもう。指導者の立場としては、部下は本来やる気があるものと考えておく必要がある。逆に言えば、部下にやる気がないということは、上司として知らず知らずにやる気が出ないようなことを部下にしている、と考えるべきである

人のやる気がなぜ出ないかについては、いろいろな理由がある。その最も大きな原因としてあげられることは、上司が部下をいつもわき役、雑用係としか扱っていないと言うことである。そして主役はいつも社長であり、役員であり、部長であり、課長なのである。私も新入社員からスタートしてきた経験があるが、雑用は面白くない。面白くなければやる気がでない。だから、いつまでたっても仕事に身が入らないのである。ほとんどの中小の市場ではプロジェクトチームを結成したことがない。問題解決はトップの仕事である。大田花きでは、すぐにチームができると聞いている。そのチームが責任を持って問題を解決し成功している。私たちの会社では、いうまでもなく、企業において部下が期待されていることは、上司に言われたことだけを忠実にやるロボットになれということであり、いつも言うように大田花きを見習うべきだと思う。

当然、部下は創造性を発揮する場がなく、発揮しないから創造性を高めることができない。手でも足でも使わなければ退化するように、人間の創造性も使わなければ退化してしまう。上司は部下に舞台を提供することが必要がある。部下がこの舞台の主人公、主役は自分であると感じるような仕事の与え方をしないといけない。

課題の解決にプロジェクトチームを結成し、そのリーダーに任命する。現場で小さな集団活動を展開し、そのリーダーに任命するなど、まず舞台を与えるべきである。まずは、やらせるべきである。最初はうまくいかない。その場合は部下と一緒にその解決にあるべきである。そうしたことをコツコツやりながら、一緒に創造性をつくりながら発揮する舞台を与えたらいいのかもしれない。

私も青年会議所でLIA(リーダーシップインアクション)を勉強してきたが、これからも何度も何度も、読み直す必要があるみたいだ。私が部下のわき役になってもいいと思っている。うるさいわき役だが。