IndexNo:202:『情報化=コンピュター万能』の誤解

昨日のテレビではないが、旅客機はコンピュターで制御され飛んでいるのは承知の事実である。しかし、それを動かすのは操縦士なのである。中華航空の事故寸前のトラブルは機長が自動操縦に頼りすぎたのが原因だそうだ。航空機製造会社が今、いちばん問題視しているのはコンピュターと操縦士のコミュニケーションだという。

私の会社はどうであろうか。データは毎日、蓄積されている。私たちはそのデータで動いているといっても過言ではない。顧客である生花商、生産者の皆さんのデータは数字でしかみれないのだ。どんな苦労があるのか、どんな問題があるのかはコンピュターでは確認できない。電算に100%頼りすぎては多くのトラブルを生むことになるだろう。安易な「コンピュター万能信仰」はコンピュターが生産する数表はすべて貴重な情報だという錯覚を生む。その点に関しては、コンピュター関係の仕事に就いている人々だけではなく、企業や花き市場の役員、社員を問わず誤解していることが多いのである。

情報の本質とは、情報が価値を持つかどうかである。では「価値ある情報」とはどういうことか、それは「対策を考えるのに役立つ」ということである。このようなことに終始してしまう原因は、情報の加工に決定的な欠陥があるからである。「加工」とは分かりやすく誰でもすぐ問題点が発見できるようにすることだ。加工のポイントは数表に載せる数字を絞り込むことと、次にトータルな数字だけを使うことをやめること、さらに計画と実績の比較などをやめることである。しかし、前に述べたことや、多くのことを実行したとしても、しょせんコンピュターには限界はある。たくさん売れた商品は何かを特定することはできるが、売れた理由までは分かるはずもないのだ。「何故、売れたか」がいちばん貴重な情報だとすれば、そのとき必要なデータは、ただ、ひとつ「それが顧客にどう使われたか」「顧客にどう満足していただけたか」ということだけである。

ネット(Web)販売も「壁」にぶつかっている。どう乗り越えていくかは顧客の満足度を高めることが必要だと考える。色々なご意見を頂きたく思います。よろしくお願い申し上げます。