IndexNo:204:「バブルは諸悪の根源」の誤解

昨夜、ある異業種の会議に出席させていただいた。質問をする人、答弁する人も皆、「バブルの崩壊」「バブルの影響で」という言葉が多く、聞き手には「何故バブルなのか」と思わせる位「バブル」「バブル」であった。あれから7.8年は経っているのでは。

「バブルの崩壊」ということを、最近のあらゆる出来事のマイナス要因のように、いまだに言う傾向がある。なんでもかんでもバブルが悪かった、バブルの崩壊が尾を引いている・・・・・・。まるでバブルが、経済や経営の環境をひっくり返してしまったような大きな出来事という認識が一般的である。ここまで経済がバブルの影響となると、経営者の失敗は経営者の責任ではないのだろうか。私は思うが、バブルは突発的に起こった短期的な変動要因にすぎないのではないだろうか。もちろん、恩恵を受けた会社も沢山あるだろうが、それが自社の経営力によるものでないことは明らかである。

もし、現在、本当にバブルの崩壊に根ざした苦境にたっている企業があるとすれば、それはバブル時代にしか通用しなかった経営だったということに過ぎないのではないか。言うまでもなく、企業というのはいかに変化に対応し、先手を打ち続けられるかで勝負が決まる。そうしなければ、対応が遅れたことを棚に上げ、経営環境に責任転換することになるのである。

私たちが認識すべきことは、時代のもっと大きな流れであり、世の中に起こる個々の現象を予測することではないのである。私も大きな口をたたける経営者ではないが、失敗は反省の源であり、反省の中から成功が生まれるものと思っている。もし、今の業績に大きな問題があるとすれば、バブルの問題ではなく、経営の基本的な問題だと思うようにしている。その問題をいかに克服し、成功するにはどうすればいいか、そのためには情報収集は勿論のこと、自分の足で稼ぎ、自分の目で確かめ、自分の気持ちを伝えながらやらなければいけないと思う。