IndexNo:215:FM21鹿児島視察に同行して

今週の水曜日にFM21(次世代の若手経営者のグループ)に同行して鹿児島視察に行ってきた。鹿児島園芸のセリ見学と松尾社長の講話を頂き、鉢物の売店2店を視察を行い、その後鉢物生産者である上窪さんのハウスの視察(ハイビ)を行い、宮崎に帰るスケジュールである。

今回は売店の話をしてみたいと思う。場所は鹿児島空港近くの『花安』さんである。この売店に関しては、これが本当の売店のあり方ではないかと思うほど、品揃え、手入れ、顧客にわかりやすい商品の販売をされていた。宮崎のグリーピアの又木社長の売店も同じであるが、『花安』さんも花の咲いていない商品に関しては、自社のパソコンで作成した商品の写真(ポプリ)を掲示し、販売の基本をすべてに実践されていたと思う。また、当たり前ではあるが、花々の手入れも最良で買い手に買いやすい商品の配列、そして商品構成であった。又木社長も「花安さんには及ばない」とのコメントであったのがよく理解できた。

忙しいから、完璧にできなくても仕方がない。忙しすぎるからミスを起こしても仕方がない。失敗すれば、いつも「いい勉強だ」と大目に見てしまう。しかし、ミスや失敗の原因をさぐると、そのほとんどは忙しさなどではないのである。販売の基本通りにやっていないだけ。忙しいからこそ、基本通りにやるべきなのだ。基本をバカにしているから、10年前と同じ失敗を何度も繰り返しているというのは本末転倒であるのだ。

基本を確実に実践できないために、顧客の信頼を損なうこともめずらしくない。そのくせ、「顧客に付加価値を提供しなければ」などと、思う人がいる。当たり前のことを当たり前にできないのに付加価値もないだろう
そういう会社が多いからこそ、当たり前の実践が顧客にとって付加価値ととなるケースも多いのである。

たしかに「花安」さんが不完全なマニュアルどおりに行動すれば、価値のない行為になるかもしれない。しかし、当たり前のことが当たり前にできるようなマニュアルであれば、それに沿って行動することで基本の徹底は可能となる。基本を確実に実践し、社員の例外行動は許さない。そういう社風は本来、大変素晴らしいものである。優良な売店と低迷する売店の差は、この基本の徹底の度合いの違いであると思う。基本が「頭」から離れたと感じたら、油断がはびこり始めたと思っていいのではないかと思う。