IndexNo:217:クレームを『処理する』などとは、とんでもないことである

7月に入り、ネット(Web)販売が順調に推移している。とくに鹿児島県(離島含む)の皆様からのご購入が増加している。今日も3トントラックでの配達であった。夏場には暑さの為に荷の痛みが激しく、クレームが自然に多くなってくるのではあるが。クレームの対応の多くは「穴があいたらそこを埋めればよい」という発想で行われているのが現状の花き市場である。文句を言ってきたならば改めればいいではないかと、最低限の労力で取り組もうとするなら、買い手であるお客様は納得するわけがない。

お客様からの不満は、市場側の苦情への対応に最も多いという結果がある。具体的に言うと、「苦情を機械的に処理する」「一丁あがりとばかりに済ませてしまう」といった『苦情処理型』の対応への不満である。タダでもクレームに対していくら誠心誠意、スピーディに対応したところでお客様が真に満足を得ることにはならない。お客様の方は、せいぜい「誠意をもって対応してくれた」といった程度の認識だと思う。つまり、苦情にいくら対応しても、マイナスがゼロの位置に戻るだけであるのだ。だからこそ、誠心誠意取り組んで、取りこぼしがないよう最善を尽くすことが、お客様満足を考える以前の最低限の姿勢といえる。

肝心なことは、苦情に対応したときのお客様との一連のやりとりは、その場限りにするのではなく、事例として会社に必ず報告し、営業会議等で皆に知らせることが大事であると思う。一地区の産地のクレームは、会社のクレームでもある。現場の対応は完了しても、事例を共有して全地域での対策を講じていくべきである。ひとつの事例で花き市場が敏感に反応していくことで、『よりよいお客様満足』がつくりだされていくと思う。