IndexNo:225:これからもコラムは思ったことを

先日、婦人連協の役員の方々と一緒になることがあった。6名の役員の中で5名の方が書生のコラムのファンだそうで「毎週金曜日に読んでいますよ」「腰の具合はどうですか」との問い合わせもあり、このコラムも花商さんから生産者の方々は勿論のこと、学校の先生、主婦の方々まで読んで頂いていることに感謝と責務を感じている。しかし、時には楽しく、厳しく生きていくことが私のやり方であり、その方針を変えるつもりはない。また、花き業界に携わる人達がこの先、いい生活ができ、そして一般の消費者の方々が『花々』でやすらぎと感動を持ってくれれば望むものは何もない。

ある会社発行の機関紙に「業績が伸びない会社」という特集があった。それを読んでいるとバカバカしく思えて腹が立ってきた。それは、業績が悪いのは社員(部下)が悪いと思っている会社のトップが3割もいることだ。もし、部下が本当にさぼっていて、業績が思い通りに伸びないのであれば、「部下の責任」と言えるだろう。しかし、私の会社でもそうだが、業績が悪ければ悪いほど、部下は今まで以上に必死になって働いてくれるものである。今までと同じ方法、同じやり方、である。成果が出ないのであれば、従来のやり方は間違っていることになる。その間違ったやり方をさらに押し進めても成果は期待できない。

企業を自動車にたとえるとオートマチック車ではなく、マニュアルチェンジの自動車であると思う。マニュアルチェンジということは、その時々の状況に応じて、クラッチを踏んでギアを入れ替えなければならない。ところが景気のいい時は、ギアを入れずにアクセルだけを踏んでいれば、どんどん前に進んで行くことができたために、すっかり、オートマチック車に乗っている気分になってしまっている会社が少なくない。周囲の状況が変わってしまい、前の車の動きがにぶくなってきて、渋滞が始まっているのに、ギアを入れなければノッキングを起こし、エンジンはストップしてしまう。つまり、今までと同じやり方でどんなに勢いよくアクセルを踏み込んでも加速することはできないのである。そこで業績をあげるためには、ギアを入れればいい。簡単なことではあるが、それに気付かず、業績不振を部下の悪さにしている管理職が多い。

ギアを入れるということは、仕組みを変えることを意味する。どの仕組みにシフトするか考えればいい。つまり従来の行動パターンとは違った、新たな行動パターンを工夫することであると思う。そして、それは私達管理職以上の幹部の役割だと思う。