IndexNo:235:市場も目線を変えていく

先日、大阪から高知に飛び、会議に参加してきた。日本花き卸売市場協会の四国支所の方々には色々とお世話になり、心から感謝を申し上げる。また、29日午前には土佐花き園芸市場の市場視察をさせて頂いた。土佐市場は徳久靖住子社長が競り時には自ら働かれ、活気に満ちた市場であった。私も全国の花き市場を拝見させてもらっているが、机上で命令される「社長」が多い中で、これだけ現場で動かれていた社長は初めてであった。売上規模も当社と似て、学ぶべきところも多かったし、今後伸びていく市場のひとつであろうと思った。

10月に入ってから花の需要が活発化してきたことはこのコラムでお話したとおりであるが、逆に生産は減少しているのが現状である。お隣の鹿児島県でも生産者の高齢化で生産をおやめになる先輩方が多くなってきているとのことで、年々販売量が減少してくることは間違いない。そうなれば、輸入品が増加し国内商品との競争になり、勝ち組として残る生産者がどれだけいるだろうか。飛行機などの輸送コストも上がり、市場での販売単価が取れない生産者は死活問題である。私達、花き市場は売上だけを考えてはいけない時期がきている。国内、県内の生産者も業界のリーダーとして「投資」し、守っていかなければ青果の歴史を歩んでいかなければならないのである。そのためにも「市場」という分野から離れ、目線を変えて状況を観ていくべきである。

トップとして、花を販売する現場の状況をを肌で感じ取る。買参や生産者のナマの声を直接聞く、営業社員から現場でナマの情報を直接受けることがどれだけ重要なことか、今回の視察において再認識した。同じことを何度も繰り返し、繰り返し学んで自分のものにする。小さな事かもしれないが、大きな前進でもある。