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今週から、洋花系の入荷量が増加している。数前ならこの時期は、高校の卒業式での需要で生花店も大忙しさで悲鳴をあげていたのであるが、昨年あたりから高校の卒業式での注文数も激減し、生花店も厳しい状況が続いている。花き市場もそうだが、どんな商売でも毎年受けていた注文が激減することは、相当なダメージであることは間違いない。そうなると生産者も比例して、ダメージを受けるのである。

今週の新聞に、県の観光振興に関する記事が載っていたことを思い出した。私の所見ではあるが、前にも書いたとおり、本県の観光事業は、他県と比べるとかなりの資金を費やしていることは間違いのない事実である。
先日、沖縄に出張したが、沖縄はたしかに観光県であり、宮崎とは比較にならないぐらい観光客が多い。それも魅力ある観光地とあの暖かい気候が売り物である。しかし、農業には観光以上に力を注いでいる。何故ならば、沖縄では花きの生産者は生産面積も年々増加しており、県の指導により多くの出荷組合化がなされているので販売面でも生産面でもコストの削減により他県との競争に堂々と勝負しているのである。

また、販売面でも宮崎との違いがある。卒業式シーズンとなると花々が飛ぶように売れるということで、行政と花き業界との連携により、消費拡大が推進されているのである。宮崎ではどうか、たしかに多くの予算を計上されてはいるが、それが末端の個人の生産者(JA生産者以外)には、フィードバックされていないのが現実であるのではないか。

私は提言する。花々は生産者の方々が『作り』生花店(量販含む)の方々が『売り』消費者の方々が『買う』ことは流通の根源である。その基本を行政はもっと理解すべきである。そして、その流通によって、行政がもっとも必要としている『予算』が生まれるのであるのではないかと思う。たしかに観光事業は必要なことかもしれない。農業はそれ以上に必要なことであり、観光との違いは何か、それは観光での『金の流れ』である。県内に観光事業において「金が落ちる」。その金の5割以上は県外に持ち出されている。もっと県内の観光事業者に金が落ちないといけないのではないかと思うのだが。終わりに、田野町の道路わきにある看板に『タバコは町内で買いましょう』と書かれている。私が言いたいことの根源そのものである。『農業予算は県民の為に有意義に大事に使いましょう』