IndexNo:252:地方の花き業界は大きな危機に

昨年3月に母が他界し、早いもので一年になる。一人になった父は体調もよくなり、ようやくマイペースで生活を始めることができるようになった。私の部屋に置いている母の写真を見ると、元気だった頃の母の説教じみた電話がとても懐かしくなる。「自分の事は自分でやりなさいよ」の言葉が、もう一度、聞きたくなってくることは、正直、甘えの部分もあるだろう。いつまでも母に甘えていきたいのは、子であることのあかしなのだろうか。

アメリカでの牛肉BSE問題、山口、大分、京都での鳥インフルエンザの問題等で日本の『食』がおかしくなってきている。昨日は鹿児島の業者がカナダ産のブタ肉を国内産の黒ブタと偽装出荷して、またもや大きな問題となっている。しかし、これらの問題は時が解決し、正常に戻ったら大きな需要になるだろう。何故なら、逆転の発想として考えてみると、消費者にはニュースであり、逆に解決したら食べたくなってくる心境に陥ってしまう。その時が食品業界のビジネスチャンスになると思うのだか。私だったらそのチャンスに備え、今、計画行動に出るだろう。

花き業界ではどうであろう。たしかに「食」のように悪い影響を与えるものは何もないし、消費者に関心が出てきているのは、花々の国内産か外国産の表示での問題である。この問題も早急に片付けないと『花離れ』がおきるおそれがあるのではないかと思う。しかし、販売面においてはヒット商品が出る訳でもないし、ニュースで全国の消費者が注目している状況でもない。

また、小売業界では販売において後退している現実である。このままの状況が続けば、八百屋、魚屋、肉屋についで『花屋』まで消滅してくるのである。いつまでも葬儀需要に頼っていると、これが止まったときにはダメージが大きなものになるだろう。東京を始めとする大都市は好景気になってきているというが、地方は、せいぜい1年後になるだろうし、それまでに持ちこたえる体質づくりをしなくてはいけないが、今は何もないのが現実なのだ。市場側も何かしらの努力はしているのだが、結果に表われないし、打つ手がすべて空振りでは本当の危機に面しているのではないか。私も毎日、考えてはいるが限界があるし、当社だけでは何もできないのである。