IndexNo:263:収益創造型のリーダーシップ

先日読んだ、地元の経済紙には毎回のように県内外の企業倒産の情報が掲載されている。倒産理由では放漫経営ならともかく、倒産の殆どが業績不振である。花き業界もそうだが、地方の企業では売上減により、収益が落ちて経営が厳しくなってきていることは間違いの無い事実である。ナポレオンヒルの書物の中によく出てくる「企業経営者のリーダーシップの欠如」について思い出したことがある。その本を読んで感じることは、私事で申し訳ないが、「起業家精神を失わない」という意味で私は判断している。

経営者には、今までの枠組みの中で市場をとらえていたのでは、とうてい生き残れないという強い危機感がある。それだけに古い習慣にとらわれず、今の会社のパワーを最大限に活かしてビジネスを拡大させる必要性を感じている。どんな小さな規模の花き市場の幹部、管理職であっても、今まさに「起業」の発想が求められている。その起業家精神にこそ、現在もっとも市場にとって必要なリーダーシップが宿ると言ってもいいだろう。

逆に言えば、率先垂範しばかりに掛け声勇ましく、管理職がいくら組織の先頭に立って指揮、命令により全体を率いていこうとしても、肝心な収益を生むという結果を残せなければ、結局、誰もついてこないということであると思うのだが。「起業家精神」という言葉が本当に意味しているのは、現状に甘えて容易に動こうとしない管理職に対する「これが最後のチャンスですよ」という警告を込めた言葉だと思う。それを強く認識した上で、起業家精神を磨くことに本気にならなければならないのは言うまでもない。

汚い話から始まるが、自宅のトイレの壁に貼っている「文句」がある。それは私が常務、副社長時代から同じ文句を毎日見ることで経営者として常に心がけていることであり、これがあったから今の私があるのかもしれない。その文句とは『悩んでも一日』『苦しくても一日』『泣いても一日』『笑っても一日』以上である。
4つの文句を自身でどう判断されるかはお任せするが、私は毎日のように色々なビジネス問題に直面するが、その時点で明日には問題を先送りしないように心がけている。たとえ会社に有利なことがあっても明日には忘れるようにしている。経営には心の「スキ」がつきものだが、その「スキ」をどのように克服していくか、それが起業家精神の一歩だと確信している。