IndexNo:271:販促活動は業界から、行なうべし
当社に平成8年から1年間、研修生として受け入れた日南の苗物の生産者である村富君の結婚披露宴が都城のグランドパティオにで行なわれた。村富君の笑顔や最後の新婦のメッセージに涙し、久しぶりに感動した宴であった。今では、村富君の生産された苗物は当社で人気の商品であり、彼の研究熱心なところが商品に現れてくるのだろう。これから新婦の佳恵さんと一緒に「痛み」を共に分け合いながら幸せになって欲しいと思う。 披露宴でのテーブル花やメインテーブルの花に目をやり、驚いたことがある。私自身、業界の情報誌に目を通すことが多々ある中で「こんな花を使い、このような生け方をするショップは宮崎には今のところないだろうな」と思っていたのだが、村富君の披露宴では、情報誌のページをそのまま抜き出したような花々であり、センスでもあった。この日の商品を見て、久しぶりに自身で納得できるものに出会った気がした。花き市場の社長となると、社外的に付き合いが多く、多い時には月に5回以上結婚披露宴に呼ばれ、色々な花商さんのアレンジした花々を見ることができる。勿論、予算的なこともあるだろうが、その花々を見て、個々のお店の『センス=技術=経営方針』を知ることができる。 当日の披露宴の花は、当社の専務の実家である「フローラル花久」の商品であることに気付き、同席していた専務に話を聞くことができた。「ありきたりの花々や技術でなく、このような商品を納めることで顧客に提案していく」そうで、二重に驚かされた。参加された招待者に聞いてみても、こんな花見たこともないし、花々の美しさ(飾りつけ)にも感動されていたことも付け加えておこう。 20年も前から、消費活動運動が行なわれている。今でもこの運動が重要視され、何処の県でも多くの販促活動によるアクションがなされていることは認識されていることと思う。しかし、花き業界の流通全般の伸びが頭打ち、競争激化の中でいかに抜け出せるかは、個々のショップや生産者の動きがなければ結果が出てこないと思う。すなわち、ショップは新しく提案できる商品を持って街を歩いたり、飾り付けたりして消費者に見てもらう。生産者は自分の生産していない品目を奥様の誕生日にプレゼントしたり、知人に贈答品及びお中元、お歳暮として贈ってみることが重要なことではないだろうか。 しぼんでしまった『CS(顧客満足)経営』ブームも、結局はモノを売らんがための方便であったためである。お客様第一・お客様中心と唱えていれば何かと都合がいい、という口先だけのご都合主義が通用するほど、環境は甘くない。とにかく「お客様満足」というのは本質的に私達業界が積極的に取り組まなければならない重要なテーマであり、今までの「作り手発想」「売り手発想」のズレを調整し、新しいモノづくり、新しい流通、新しい営業、新しいサービスを創りあげる原動力となることも確かなのである。その為には、根本である業界に携わる生花商、生産者、市場がまず、販促活動なるアクションを起こすことが大事なことではないだろうか。 |