IndexNo:275:お盆商戦と新規営業戦略の考え方

相場高を維持する県外市場と、今日から始まったお盆商戦に於いて、格差がなくなりつつある状況で取引されてきた。同じ事を繰り返すが、7月の高温で市場出荷が早まってしまった産地、遅れてきた産地等で集荷が安定できずに花商さんにご迷惑をお掛けしている。カジュアル菊も注文して頂いたお客様にも商材を納品できずにいる。また、ネット(Web)上でのOPEN販売も中止せざるえない状態であった。このコラムでも書いたが、高千穂の生産者の方々が根気よく出荷してくれている関係で入荷も例年以上になり、本当に助けられている。来週も例年の15%減の入荷であり、大菊、小菊、SP菊を中心とした洋花関係も今日の相場を下回ることはゼッタイにないであろう。明日から、晴天続きの予想がでており小売部門も順調に推移してくるものと思われる。

来年4月より、市場法が改正になり新しい営業戦略を考えつつ、頭の中で試行錯誤のまっ最中である。かって『ゼロサム』という言葉がよく使われた。花きのマーケットは飽和状態になり、各社が一律に伸びることはないという概念である。対前年比伸び率による競争は減少し、一定のパイの中でシェアを食い合う、競争時代が語られたのである。現代は、一部の業界を除いてまさに『ゼロサム』社会であると思う。従って、前年より売上をどれだけ伸ばすかという考え方から、限られたパイの中でどれだけのシェアアップをするかという考え方にシフトしなければならないと思う。当社でもそうであるが、普通は販売目標の設定において、対前年比で出したり過去数年の市場の入荷数量を参考にして自社の達成可能な数字を算定していることが多いのではないかと思う。

競争相手、目標とする市場から何%のシェアを奪取するかという目標設定と、対前年比で何%伸ばすかという設定では、市場の体質強化、営業戦略において視点も行動も違ってくる。前年をベースに踏まえる限りは、営業戦略も従来の延長線上でしか考えられない。シェア奪取の目標設定は競合する市場の戦略、その強みや弱点など競合を排除するための分析から対策までとらえ方がまったく違うのだ。「私は思う。」営業の担当部署をはじめ、全社的にシェア奪取の戦略を練り、ひいては営業一人ひとりは何を意識し、調査をし、活動に反映させていくかをしっかりと決めていくべきであると。