IndexNo:292:青果物の小売実情で学ぶこと。

今週前半まで続いた大菊の高値も今日で落ち着いてきた模様である。宮崎では雨、高温の繰り返しで、市場内も半そでのポロシャツが目立つ程、暑い日々が続いている。昨年もそうであったが、高温が続くと開花が早まり、一定期間のみに荷物が集中し相場安になり、荷が一挙に減少すると、その後の集荷に苦労するものである。高温で出荷が早まったお陰で、今日から24日までが相場は低迷すると予測する。この時期はひと雨くるごとに寒くなるが、日中の高温は平年並みに続くものと思われる。ここ10日間は、販売にて悩む日々が続きそうである。

今週日曜日に今話題のダイエーと日本の流通業界を引っ張るイオングループのスーパーに行ってきた。野菜の高値が続いているとエンドユーザーに認識されているのか、青果コーナーでは1/2、1/4カットの野菜が多く陳列されていた。主婦の方々は悩みながらカゴに入れていたのが印象的であった。ある主婦の方に「野菜が高いですが、大変ですね」と聞いてみたのだ。「高い野菜は1/4カットで済ませ、安い野菜で対応します。輸入野菜も今は安全だからと」思った以上に簡単に答えが返ってきたことには驚いた。また、何人かの主婦の方に聞いてみても、「輸入野菜は安全だから・・」「輸入野菜は安いし・・」との返事であったことも付け加えておこう。つい1年半前までは、輸入野菜は農薬の問題で買い控えされ、国内への入荷も減少し生産者もひと安心と思うきや、今では『中国○○産』と大きく表示され、安心して買える産地としてユーザーは認めているのだ。

花きはどうであろうか。今日もバラ、スプレー菊を中心に多量に入荷してくる。国内産が台風などの影響で高値が続くと、すぐに輸入物が入荷減という隙間に割り込んでくる。市場規模の大小は関係なく、どの市場も毎年輸入物の売上が増えてきていることは前にも話したが、花きも『○○産』『県内産』という産地表示が必要ではなかろうか。今、青果物を購入しているユーザーが外国産というものを認めてきたという傾向で動いている状況がチャンスだと思う。ユーザーが認めた花々を売るということや、ユーザー同士の話題づくりも今後の消費の拡大に繋がると思うのだが。