IndexNo:301:年末商戦の調査結果

初市以来、続いた高相場も中日あたりから落ち着いてきた模様である。しかし、これだけ高相場が続くと花商の方々は、運転(回転)資金調達も厳しいと思う。安価な相場が続くと当然のことながら仕事花も出ないし、小売も売れない。高相場では商品は流通していくが利益率が低下し、資金調達も容易ではないのである。資金が底をつくと、金融機関から借り入れしないといけないし、当たり前だが利息も付くので何をしているのか経営者としては理解できなくなる。このことに関しては、市場は当然のことながら、出荷者の方々にも理解して欲しいところである。

12月単月では113%の伸びであったが、他県の市場では厳しい結果となったところが多かったようだ。大都市では専門店、量販店の小売状況が左右するが、地方ではスーパー(青果店)の小売動向が、花商の小売を左右するのである。例えば、地方の青果市場に上々される花束が350円するのと150円するのでは、専門店の小売状況は大きく違ってくる。調査結果では、地方のスーパーでは市場で350円のものは398円、150円のものは198円で販売している。この200円の価格差が専門店の小売事情に大きく変わってくる。地方の青果市場で350円と値が出るということは、その青果市場に花々の入荷が少ないということである。本来、青果市場には花き市場に出せない下等級が花束(4本束)として上々される。花き市場が安定して販売すると生産者は青果市場に出荷しないのである。花商から考えれば、矛盾していることはご承知の通りである。

では、花き市場はどうすればいいのかである。問題の発見、答えは出てきているのであるから、解決すればいいだけである。難しいことではない。安定価格を本質とし、買いやすい(買参)、出し(出荷)やすい市場ができればいいだけのことではなかろうか。簡単な事を難しく考えるから、全てが難しそうに見えてくるのである。このことを上手に利用すれば、今後の花き市場がどうあるべきか、また、すべてで「我、何をするべきか」がわかってくるだろう。

地方の花商の小売事情は厳しくなってきている。花商から「売れない」という悩みを聞き、解決していくことが地方の花き市場のやるべきことではなかろうか。花き市場は「売上増」を第一に考える。しかし、顧客の問題点を一緒になって考え、解決していくことが結果になってくるのではなかろうか。今年は「商品」も昨年以上に売ってはいくが、顧客の立場になって『真のサービス』も売っていくつもりだ。それが業界、会社の発展のためになることなら。