IndexNo:302:仕事の食わず嫌いで実力は伸びない。

今週は、菊類や洋花関係の相場も落ち着き、買参の方々も一息いれてきた模様である。しかし、今後の冷え込み状況によっては入荷減で高相場に戻りそうである。天気や気温などの自然現象によって、相場が左右されることには、いささか疲れるということが私自身、本音だ。

今年は、若手社員の教育に力を注ぐ予定である。平成7年入場当時、若手と言われた社員も30歳前後になり、中堅として頑張ってくれている。今の20歳から25歳までの若手社員をどのようにして育てていくかが、10年後の会社の繁栄にかかってくると思う。今後、若手社員の教育に色々なアクションを起こしていくつもりだが、その前にひとり一人と面接しながら考えていきたいと思っている。

ところで。最近の若い人々の食生活の乱れには驚かされる。朝飯抜きとかファーストフードが連続すると、いずれ身体にガタがくる。しかも偏食する人が多い。そのくせ一応はグルメぶって「おいしい店」の発掘に熱心だったりする。その姿勢はおかしいとしか言いようがない。また、アレルギーとか、食べてみて自分の味覚に合わないというのはまぁ許せるが食わず嫌いは困るのだ。これは私達が仕事とする市場ビジネスでも同じことである。最近は「自分の適性に合った仕事」を探す風潮があるが、そこには落とし穴もある。自分本人の適性を見極めていないから、「適性=好きなこと」と混同してしまうのだ。

仕事に偏食は許されないのだが、中堅社員とみなされる頃には、仕事の仕方や領域などでかなりの自由裁量がきくようになるのが普通である。実はこれが「危険なタイミング」なのだと思う。それは自分で食事メニューを決められることと同じだから、どうしても口当たりのいいもの(とっつきやすい仕事)を選んでしまう。その結果、体力(実力)に影響を及ぼすのである。私達の仕事の栄養素は「知識」と「経験」である。仕事に自分の好みを持ち込むとこれが損なわれるのだ。私達のような市場業務のプロは、シゴかれて苦労して身に着けたものを栄養素として、現在の体力(知識)と健康(実力)を獲得してきた者である。けっして、口当たりのいいものばかり食べてきた者でないのである。私達は「血」と「汗」と「涙」で過ごして来た時もある。そのことを次の時代を担う若手社員を教えていこうと思う。