IndexNo:308:倉敷イオンモール視察報告

今週は、大菊を中心に活発に取引され、お彼岸商戦に向けて好スタートとなった。明日は南国宮崎でも天気予報において、「雪」マークが付き、寒さが一層厳しくなる状況である。そうなると遅れ気味で推移しているお彼岸用の大菊等が入荷減になりそうである。全国的に大菊の単価が高騰している中で、花商には引き続き資金面での苦労が続きそうである。

先週、金曜から土曜にかけて、岡山の倉敷イオンモールに視察に行ってきたので、コラム読者にご報告申し上げたいと思う。イオンのGM(ゼネラルマネージャー)の高橋様には、倉敷イオンモールの件にて説明を頂いたり、ご丁寧に視察まで同行して頂いて大変感謝している。その中で感じたことを今日のコラムとしていこうと思う。

イオン倉敷SCは店舗面積は宮崎のイオンと比べ、一回りくらい小さい。各専門店や衣料店を中心に134の店舗が並び、倉敷市有数の商業集積地となっている。売上規模で1年目の1999年の270億から年々増加し、2003年度は364億円まで伸びた経緯がある。これは地元倉敷市のデパートである天満屋と三越の年間売上の倍以上の水準である。商業地図においても、倉敷市で55%、隣県や岡山市などからの来客が多く、遠くは四国、香川県からも集客している。

モール内を視察してみて「なるほど、ここまでの店舗(顧客満足数80%以上と私は判断した)が並べば、集客力もあると思った。また、イオン側の大変な努力をしているのも店舗を歩いて感じたのである。それは、来て頂いたお客様を本当に大事にしていることと、地域の環境まで考えて運営をしていることである。宮崎の現況でイオン進出に対し、反対している方々が、ここまで地域の環境を考えた経営や来店して頂いたお客様を大事にしているか・・私は「疑問」に思う。商いは自己の利益より、商品を購入して頂いたお客様が、心から満足してお帰りになる。そして、再度、リピーターとしてご来店していただくことが基本ではなかろうか。

倉敷市内の旧繁華街では、シャッターが下りたままの店舗が多かった。駅前地区から駅裏の遊戯場を含んだ駅裏のショッピング地域も苦戦をしている状況であった。繁華街は7時にはシャッターが閉まる。7時を過ぎれば買物もできないし誰も通らない。だったらイオンへ。といった具合だろう。きっと繁華街の経営者からしてみれば、人が来ないから7時に閉めると反論してくるものと思われる。三越も5月はじめに店舗を閉店するそうだ。しかし、逆転の発想の転換からダイエー跡地を新規開店するスーパーもあったことは報告しておこう。

イオンモールにも、欠点はあった。ここで詳しくは書けないが、私なりに気がついた所も多かったのも事実である。いつも言うように『視点を変えて見る』である。私ならイオンモールが来ることで、逆に『攻める』こともできると思う。今回の視察において、イオンに来場したお客様が本当に楽しめるモール作りと巨大企業のきめ細かいサービス(環境と空間)に脱帽したことと、地元商店街は何をなすべきか、イオンモールを利用した競争力の向上とイオンの欠点を見いだしたことは、大変な勉強になったと思う。

終わりに、モール出店後から今まで20%以上売上が落ち込んだ地元商店街とデパート。これからはイベントの開催だけでは生き残れないだろうし、何らかの打開策を模索することが先決ではなかろうかと思う。買物に出掛けたお客様が、最後にサイフを開けるのはどの店かで決まる。その為には、人が集まる、人が楽しめる、人が満足する地域づくりをしていくことが大事なことであると思う。このコラムを読んでいる商店街の方々にお聞きしたい。自分の子供が東京のアパートに住みます、何処にいけば全部揃いますか??。それが今回の答えである。