IndexNo:323:輸送コスト上昇で変化してくる市場流通
今週も切花は弱含みで取引され、昨年比の売上では大きくダウンしている。暖地物が終わらないうちに、高冷地物が出荷されての結果であるが、生産者としては燃料費が殆どかからない時期での出荷を考慮し、現況の入荷量増の結果になっている。また、トルコ桔梗を中心に菊類も販売にあいかわらず苦戦している状況で、15日に岡山で開催された西日本花き協議会前の話でも「6月の低迷」の話題が上がり、他市場の代表者の方々も苦慮されていた。 西日本花き協議会の中でも発言したが、生産者の出荷コストの上昇について述べてみよう。宮崎をはじめとする九州8県は11月から5月までの大きな花き生産地である。九州から北海道をはじめとする全国の花き市場にエアーやトラック等で輸送されている。この輸送コストが大幅に上昇することとなってきた。理由として、①トラックの最高速度が現行の最高速度が80Kから70Kに変更され、速度超過違反の取締りが非常に厳しくなってくる。それらの為に輸送時間が大幅に上昇する。②配送時間が長くなると、運転手などの給与コストが増加してくる。③エアー、トラック共に燃料代の高騰によって輸送コストが上昇するし、燃料代は下がる見込みなどは殆どない。④カーフェリーなどの別ルート輸送などが燃料代高騰のために一時廃止や全面廃止される以上の4点が輸送コスト増の原因となって、出荷者に跳ね返ってくるのである。 出荷にかかる経費増は、輸送コストだけではない。ダンボール箱やガムテープ1個にもかかってくるのである。そうなると、今の出荷経費が2割以上アップすることは間違いのない数字である。生産県市場としては地元市場への出荷が増加すると予想されるし、相場や入荷も不安定な動きで推移してくるものと思われる。当社としては現在まで安定して出荷していただいた生産者をどのように守っていくかがカギとなるだろう。出荷に際して、高安関係なく我慢して出荷し、助けて頂いてきた生産者を今後は、当社が責任をもって守っていかなければならない。 もうひとつある。トラックの最高速度が下がると、輸送時間がその分長くかかる。トラック会社に聞いて見ると半日は考えていかなければならないとのことで、2日前出荷から2日半前出荷になることだ。出荷体制や鮮度の面で問題が出てくることも対処していかなければならないことだ。 |