IndexNo:324:VS コンビニ

今週、切市は菊類.洋花の相場が若干持ち直し、回復傾向にある。逆に鉢市は、苗物の安定価格にて好調を維持してきたが、その苗物が厳しくなってきた。その他の草花、観葉、ラン類は品目によっては好調に売れている。7月を前に切花が持ち直してきたのは、良い流れであると感じている。

先日のNHKの放送でコンビニの変革について特集があった。大手コンビニが生鮮品の販売に着手し、他の100円ショップを含めたコンビにも色々な戦略をもちいての販売に入る。従来、コンビニは若者を中心に支持されてきた訳で、中高年には人気がなかった。しかし、これからのコンビニはその中高年まで客として取り組んでいくという。特集の中で、105円の野菜コーナーや働く主婦向けに小口分けの野菜などの材料コーナー等が設置され、従来の食品スーパーにない特色ある販売戦略が目を引いた。デフレ(持続的な物価の下落)の長期化で、多くの生鮮関係を含む店舗間の競争はこれからも激しさを増すだろうし、食品以外の異業種の参入もこの競争激化に拍車をかけるだろう。

花き業界はこの壁をどう乗り越えていくか。このコラムでも述べたように、大手IT関連会社や通販業界の参入で小売業が苦戦していく中で、今度はコンビニの新規販売戦略の波をモロに受けてしまう。現在のところ、生鮮品の中に花きは入ってないと思うが、今後は中高年向けの必要アイテムとして売られるに違いない。対スーパーから対コンビニと花の小売競争もいっそう厳しくなってくる。花ショップもコンビニやスーパーに負けない販売戦略を考えていかなければいけないと思う。我々、花き市場も今後のコンビニの戦略の動向を見極めて対策を取っていかないと衰退の一途をたどってしまうだろう。