IndexNo:333:必要な『批判精神』

お盆も過ぎ、この頃になると全体の相場が厳しくなる。今日も殆どの品目が弱含みで取引され、取扱高も非常に厳しい状況下にある。例年通りと言えば、それで終わってしまうが、今日も熊本、高千穂から生産者の方々(20名)が視察に来られ、セリ場での安相場に驚いていらっしゃったのが印象的であった。セリ終了後に会議室で90分程協議を行った。その中において、売れる品種、売れない品種について市場側から生産者の方々に説明して、生産者の方々も必死でメモを取られていた。また、生産者への要望等もお伝えして、より有利な販売を今後していくかということを全員で討論を行った。

当社は、生産者に厳しい言葉で接することが多くなった。今日もご婦人達にダメなものはダメだと正直につたえたし、同じ生産の繰り返しではカネは取れない、カネが取りたいなら言うことを聞いて頂きたい。おべっかいやヨイショしていたら生産者は伸びない。厳しく正直に接することで生産者の謝った考えを変えさせてやることが市場の方針なのである。今日も会議終了時にご婦人から「ここまでハッキリと厳しく言われるのは社長さんだけで他の市場では褒めることしか言いませんよ」と言われた。

自分なりの考え方を持つために必要なことは『批判精神』である。といっても、けなすだけの非生産的な批判の姿勢を持つことではない。ある有名な経営コンサルタントは駆け出しの頃、経営に関することはもちろん、政治や社会現象に関する出来事に対して、自分なりの解決策を具体的に考える訓練を積んでいたという。社外で起こることであれば、直接自分と関わりがないと思えるようなことであっても「自分なら具体的にこうする」という対策を立てられるように日頃から訓練し、生産者の方々に「本物の気持ち」を伝え、厳しさの中で成長してもらって、より良い生活を送っていただくことが、生産者のみならず業界も繁栄していくものと確信している。