IndexNo:356:社員に悔いのない人生を送らせなければならない。

先日の花き園芸新聞に、全国の中央卸売市場花き部卸会社32社の昨年度1月~12月までの取扱高が掲載してあった。FAJや大田花き等は業界トップクラスとして現状を維持しているが、その他の市場は苦戦を強いられている。当然、当社もこのコラムでご承知のとおり、台風、寒波等の影響にて前年比97.1%の数字であった。経営者たる者、取扱高はもちろんであるが、会社の利益を追求し、社員の安定した生活を保証していく責務を背負っている。また、当然であるが花き市場は、出荷者(生産者)、買参、仲卸の方々の安定した生活も間接的であるが背負っていることも忘れてはならない事実である。

今週から営業スタッフは、各品目担当別に今週の入荷数と来週の予定入荷数を営業会議で報告することとなった。従って、そのことを報告するには、出荷者からストレートに情報を取得するしかないのである。通常の出荷において前年並みの入荷若しくはそれ以上の入荷であればOKであるが、入荷が厳しいものであれば、どのようにして集荷して数字に出していくかがポイントになる。できないのであれば、ペナルティを課していくこととなるし、最悪のことになれば品目別担当の入れ替えか会社を去ることになる。それだけ今の当社の状況は厳しいので、本気でやることしか光は見えてこないのである。

社員を育てるのは、『公』の仕事である。決して上司が個人的な好みで実行したりしなかったり、あるいは中途半端なスタンスで取り組むようなものではない。社員育成、指導に対する上司の真剣さが社員のやる気に火をつけるものである。指導者に恵まれた為に才能が花開いたというケースは、スポーツや芸術の世界をみてもその実例には事欠かない。同様に、社員指導のあり方が、社員の人生を変えてしまう力さえ持っていることを上司である私達は忘れてはならない。実際に上司が変わったとたん、社員が生まれ変わったという話を良く聞くのである。

社員を育てるということを上司の裁量に任せられたもの、あるいは一市場内の問題としてとらわれることがあるが、それは間違いである。社員は社会からあずかった人達にほかならないと思う。その彼達を社会に貢献できる人材に育て上げることは、社会的に大きな意味を持つ重要な仕事なのであるのだ。

『私は思う』。今は、社員に人生と仕事に夢を持たせられるかどうかである。そのやり方は色々あるだろうし、こうすればいいという決まった方法はないのである。肝心なことは、「社員の人生を真剣に考えてみる」ということであると確信している。真剣に話す中から、社員が本来もっている「やる気」を引き出すことが私の力量であると思うのだが・・・・・・・。