IndexNo:371:産地型市場の使命
今週の切花は、高冷地物の出荷が2週間位の遅れている状況であるのと、暖地物の出荷減にて入荷が極端に少ないために強含みで取引されている。今後、夏商品の入れ替えが6月中旬までかかりそうなので菊類を中心に強含みで取引されていくと思う。鉢物は、買付商品の供給にて好条件の中での販売となっているのでこのまま持続していきたいと考えている。 昨日、当社でも大菊のトップ産地である生産者の方とお話する機会があった。話の内容は、やはり重油高騰による手取額の減少であった。冬場のハウス暖房代を試行錯誤して節約に努めたが、昨年度より40%燃料代が増加して収入が激減したとのことであった。また、来期の出荷時期の生産計画を見直していく方針であることも<言われた。それは、燃料を炊かない夏場に収入を増やしていく計画で6月~12月まで昨年比140%の生産増を計画しているそうだ。となると、国内の生産者が同じ考えであるとすれば、夏場から秋にかけて供給増が懸念されるだろう。また、冬場が出荷減になれば、その隙間に輸入菊が入ってきて穴を埋めてしまう。いつのまにかカーネのようにシュアの半分以上を輸入品が占めてしまう結果になるでだろう。 そのような話をしていく中で、生産者の方と今後の生産計画について早急に協議していく方向で一致した。当社としては、買付販売での市場間取引を増加させていくという計画を持っている。それは、取引市場に入荷が減少している時期に、いかに生産出荷をしていくかがキーとなる訳で、その前の段階にて生産の減少をしていくと、産地県の特性をいかした生産販売ができなくなることを伝えて、ご理解いただいた。産地型市場の役割を全面に打ち出しながら、生産者の方々の有利販売の手助けが出来て、尚且つ生産が増加して、生産県として勝ち組に残っていくように努力していくのが当社の使命であると思っている。市場というものは、出荷者・生産者の方々と買参人・仲卸の方々に支えられ、生かされている事実を忘れてはならない。 |