IndexNo:372:鉢物買付の舞台裏
今週、切花は大菊が高値で取引されている関係で好調に販売されている。原因として高冷地物の遅れと入荷減による影響のために、この相場が続いている現状である。5月に雨が多かったので、大菊にサビ等の病気が入り秀品率が極端に落ちたことも、この時期の高値の原因でもある。洋花類は、シミ等の商品は減少してきたが、暖地物の入荷減・高冷地物の遅れ等にて、しばらくはこの相場が続くものと思われる。鉢物は、草花類が一部の商品で花落ちや花シミの影響のために安価な取引となってはいるが、苗物と観葉物は好調に販売されている。買付商品は、ここにきて厳しい時期ではあるが、梅雨時においての魅力ある商品の供給を続けるためには我慢のしどころであり、買参人へのサービスとして続ける所存である。 先日、他県の花き市場にセリ権を持っている買参の方が当社にお見えになった。当社の買付商品の供給について羨ましがる意見をいただいた。現在、当社は切花で九州管内の産地、JAから買付を行っており、鉢物は九州と名古屋の市場で行っている。とくに鉢物は、経費がかかることがネックになっている。宮崎から名古屋往復のエアー代と10tトラックの輸送代。そして買付市場まで出向く社員の日当と宿泊費プラス労力と1回の買付で30万以上経費がかかるのである。それを毎週行っていくことになると資金面や社員の健康面を考えていかなければならないのである。そして最後に残る、買付での赤字?黒字?・・・・・。 他の市場でも、顧客へのサービスとして買付をしたいということは理解できる。どの市場でも「顧客サービスの基本」の考えは同じであるから。しかし、市場の経営方針や資金面やリスクを背負ってまでやるか、やらないかは、ここで述べる問題ではないと思う。当社は今期の基本方針として鉢物市に全力を注ぎ、買参・仲卸・買出人へと大型市場レベルの品揃えをより強固なものにしていくという『社長指針』を行っているだけである。魅力ある商品の供給、また品揃えが良いと当社にお見えになる買参の方も増えていく。そうなると他の商品も売れていく波及効果が出てくるものと期待をしているところである。 尚、鉢物の買付商品は、当社に到着後、注文商品は別として、現状では一切の先取りや相対はさせずにいる。全ての商品をセリに出して購入していただくということを基本に考えていることはお伝えしたい。 |