IndexNo:446:園芸のプロ集団で業界を守らなければいけない。

今週、切花は菊類が入荷減にて続伸での市況となり、洋花・草花・球根類ともちあい相場での取引となって取扱高も前年並みとなっている。鉢物は他の市場同様、入荷減での取引となっており、取扱高面で依然厳しい状況である。

水曜から博多にて九州花き卸売市場連合会の理事会・協議会並びに中国・四国・九州花き市場の研修会に出席してきた。40社位の花き市場が集まると取扱高減での話しになる。殆んどの市場が前年比90%台であり、厳しいとのこと。ある市場からは鉢物が一日で1000万円のダウンとのことで、しきりに他の市場の状況をお聞きになっていたのが印象的だった。当社も厳しいが、他の市場も同じ状況下にあることで取扱高減に対して歯止めが効かないようだ。昨年までは鉢物が話題の中心であったが、今年は切花も同じように悪いとのことで深刻な状況である。

会議の翌日、とある量販店に足を運んで現況調査をした。鉢物担当者と話ができ、驚くことがあった。経営者側と店舗で販売する実務者側との意見の相違が大きいとのこと。その店舗では、プランター用の「土」が10L・○○円と表示してあり、私自身もその価格に驚いて「安すぎるのではないか」との質問をしてみたところ、担当者から「この土では、まともには育ちませんよ」とのこと。詳しく聞いてみると「安いだけで普通の土ではない」と言われた。そのことを聞いた私自身も理解に苦しむ。担当者は、植物を販売することに「土へのこだわり」を持っているそうが、上司(経営者側)は利益しかみていない。鉢物の販売が厳しいから、このようなことになっているそうです。

消費者が野菜苗・草花苗を購入して、用品であるプランターや「土」も購入する。ガーディニングのプロならともかく、肥料の成分等・何の知識がない一般の消費者である。安く購入できれば消費者は喜ぶのは当たり前。その「土」に苗物を移植して楽しみに育てていく。しかし、販売する側の利益主義の結果で『育たない』『育てない』となると消費者は二度と購入しないし、育てて楽しむことの本質をこれからは否定してしまう。
何でも売ればイイとの問題ではない。園芸業界の中で競争していくことは、全体で切磋琢磨していい結果が出ると思う。しかし、ひとりの経営者が足を引っ張り、ダメなら撤退していく。末端で消費者に接する園芸店の店主や担当者は、たまらないし多大な迷惑である。こういうことの積み重ねで園芸業界は衰退していくと思う。私達、市場の顧客である園芸のプロ集団で「園芸を楽しむ」という城壁を守っていかなければ大変なことになるのではなかろうか。