IndexNo:459:今年も目標

今週、切花は、温暖な気候が続いていることで葬儀需用も減少して、弱含みの取引となっている。成人式需用に期待はしていたが、他市場の相場安が影響していることで考えていたようには伸びなかった。鉢物は、シクラメンの年越し分が大量に出荷されたことで苦戦を強いられてくると思っていたが、苗物・草花類を中心に全体的には、順調に販売できている。平年の最低気温が4度というのに明後日は14度(雨)と予報していることでこれからの入荷・販売にかなりの影響が出るものと思われる。

昨年末の小売事情について全国・県内の情報聴き取り調査を行った。全国的に小売が苦戦していることで年明けの「初市」で洋花・球根類が崩落している。特に関東・関西地区の市場が厳しい結果となった。県北・県南をはじめ、県内でも全体的に小売が前年比90%台を推移して、とくにアレンジ花の販売減が響いて、厳しい状況であった。また、一人あたりの販売単価が1000~2000円減で来客数的には昨年並みということで、原因を調査してみると、ガソリン・灯油の高騰で家庭支出が増えていく。一般家庭で2台保有すると一昨年のガソリン価格で比較すると1500円~2000円の負担である。灯油を計算してみると18Lあたり1350円から1800円と450円の負担増になる。29日から31日にかけて燃料費だけで約4000円増になる。そうなると何かを減らす工夫をしなければいけない。おせち料理の注文数が減少したことは周知の事実であり、スーパーのおせちコーナーでの小分け料理が売れ筋だったこともあり、そういうことを判断していくと「花々」へのかける金額も減少してくる。
上記のことは、専門店だけではなくスーパー・量販店でもいえることである。

もうひとつ皆さんにご報告しておこう。大分・熊本そして宮崎で年末小売に苦戦した原因がある。それは、JAや生産者と、業界とは関係のない素人の「直販所」であることを忘れてはならない。前にもこのコラムでも書いたが、韓国SP菊を○○町の○○さんの生産されたもので販売していたアレである。○○町では、○○さんという生産者はいない、その地区では、SP菊やオリエンタル百合を生産している人は存在さえないのが現実なのだ。ある町のJA直販所では、大量に販売され多くの人達が購入していたという事実もあり、販売チャンネルもこれから変化してくるのかと感じた年末の小売事情であった。尚、「直販」で売られていた花々は生産者から直接、仲卸からと買参から購入されているものであることも判明している。

消費者が購入する金額も販売店の選択も自由であり、それなりに事情があってのことである。私達は、多くの事例を考えていかなければ、2年前に経験したことを今年に生かすことは間違いであることを気づくべきであると実感した。流通と販売チャンネルが目まぐるしく変化していく中で、自社の今後の進むべき方向を決定しなければならないのである。今年は、今以上の勉強を重ねて業界を守っていく、更なる目標ができた。