IndexNo:467:買参サイドと生産者サイド
今週、切花は彼岸前の週ということもあって全体的に軟調な取引となっているが、大菊だけは、品薄状況で高値での取引となっている。市場としても、来週からの彼岸商戦に向けて販売努力が必要となってくるし、売らなければという使命感も持たなければならない。今日も鹿児島・熊本市場他の方々と話の中で、今後は好天が続いていき入荷も増加傾向にあるし、小売事情も上向いてくるので期待はしているとのことであった。鉢物は、ようやく昨年並みの販売状況に並んだことで、これからの春商戦突入に期待している。また、先週の休日には好天が続き、小売が伸びてきたことで園芸店さんとの話にも好調さが伝わってきていた。 切花表日に、北は北海道から南は沖縄まで、朝7時前後に15社程の市場・仲卸から携帯に連絡がはいる。内容としては、品目別の入荷状況と相場のことであるものの、最近は同じ文句を言われることが多い。一つは、買参の物日に買いを入れるのが遅くなっている。二つ目は物日だと意識がなく、仕入に危機感を持っていない。三つ目は燃料高騰による影響が予想以上に大きい(球根を除く品目がダラダラ出荷となっていることで、まとまった入荷量が期待できないでいる)。そして、今年になって寒気の影響も重なり1・2月と厳しい取扱高であること。 買参の「買い」が遅いことと「物日での購入意識」「仕入の危機感」に関しては、県内外の市場で云えば携帯電話でのやり取りで情報がその時間・その市場で瞬時に取れると云うこと、多くの県外市場でのネット(Web)購入が容易にできることや、仲卸・輸入商社等からのFAXでの情報でいつでも注文出来るという「購入チャンネル」が数多く存在することである。よく市場視察にいらっしゃる生産者団体の方々から云われるとおり、セリ中は、自社への連絡や他の市場の買参への連絡等で携帯を使っている方々が多いのも目立ってきている。仕入に関しては、日本中の市場(買参)で言えることだが、模様眺めという現状が多い。これは、生花店や園芸店。量販店が人件費や燃料費・家賃等の経費高による自社経営の利益率が低くなってきていることで理解できることだし、これをしなくては倒産・廃業してしまうためだ。だから、慎重な仕入になるし、売れる分だけ仕入れていくことである。 生産者サイドから考えていけば、燃料高騰による影響で開花設定温度を低く抑えて出荷をしていく方々が多い、昨日も鹿児島の枕崎の菊農家の方とお話していく中で「1本単価が正確に○○円すると云う保証があれば、自分としては、燃料を焚いてでも出荷要望に応えますよ」とのこと。おっしゃる通り、当り前のことである。昔のように市場との関係で経費を掛けてでも出荷する時代ではない。オリエンタル百合(球根類)の生産者でも同じことが云える。これは買参の方々に理解して欲しいところであるが、今の出荷分に関しては、菊類と比べて長期に燃料を焚いていかなければいけないことと球根そのものの価格が上がっていることで二重の経費が掛かること。球根だけではなくバラやその他の草花も長期間に出荷するということは、長期間に渡り燃料を焚くということなのである。 買参・仲卸の経営の厳しい部分、生産者の経営が厳しい部分と、相互の現状が理解できるだけに、2部門の間に入って商いをしていかなければいけない市場である。その責務を果たすべき「売り先」「仕入先」を見つけて経営していかなければならない。五対五での取引がベストだが、時には、四対六、六対四にもなることもあるのでよく考えて行動していく。それが市場のプロとだと思う。 |