IndexNo:476:厳しい時こそ、市場の役割を正す

母の日商戦終えて、切花は、カーネを筆頭に草花、洋花と好調に販売できた。全体的には一部厳しい品目もあったが、取扱量、取扱高とも昨年並みの状況となっている。鉢物は相対・セリ販売が好調で昨年を上回る実績となった。今年の母の日商戦を終え、買参・仲卸・生産者の購入・出荷に心よりお礼申し上げ、数ヶ月前からの営業や集荷そして最後の販売まで頑張ってくれた全ての社員に本当に感謝したい。ありがとう。

母の日商戦を前に、他県のカーネ産地から、昨年の相対価格を下げるので今年○万本販売して欲しいと要請があったことを報告したい。当社とは、今までに取引のない産地であり、どんな商品かも見てもいないし、触ったこともない。相手にお断りするのは当たり前の話であり、取扱う気もない。最近、他県の産地は、より近くで確実に販売してくれる市場を捜している傾向にある。コストが上がり、運賃も上がっているし、全国的に殆んど単価も変わらない状況の中で売り込みをしてきている。その産地・出荷者としては、産地市場として「地元にあるのに他県から集荷する筈がない」ことは十分に理解していることであり、それを理解している上で営業を仕掛けてきている。

しかし、私の経験では、日本全国、どの市場でも相場の高安はつきものであり、購入する側も出荷する側も今まで我慢して、その市場で付き合い、育ち、育てて頂いて頑張ってきたと思っている。市場相場の高安でまたに掛ける、そのようなことを実践してきた産地、生産者が、今まで取引をしてきた市場を蹴ってでも取引を願うことは「相場が安ければ、その市場からいつでも離れられる」要因を持っている。確かに順序を持って取引を願うなら、市場の視察や取引現場や担当者との協議を重ねてくるものだと思っている。それが正しいことであるのは間違いない。いつも云うことであるが、現状の取引先(生産者・買参・仲卸の方々)に、今までに多くの迷惑をかけてきた経緯もあるし、我慢に我慢を重ねて協力して頂いている。世間一般のモノの値段も上がり、生産サイドもコストが上がって厳しい状況である。そして、めまぐるしく変化していく花き流通の中で、『今までの恩を返す』という意味で、これからも地方の零細な市場としての役割だけは忘れずにやっていく覚悟である。