IndexNo:492:「パン離れ」で思うこと
今週、切花はバラを中心とした洋花系・草花系が入荷が減少している影響で好調な取引ができたものの、大菊は、葬儀需用も落ち着きをみせたことで弱含みの取引となっている。この状況は、来週後半まで続くのではないかと懸念している。鉢物は、敬老の日を前に洋ラン類が好調であり、秋苗物も徐々に入荷増の傾向にあり堅調な取引ができている。 昨日の日経新聞に「パン離れ」加速との記事が掲載していた。理由としては、小麦製品の高騰による背景であるようだ。ある団体の調査では、回答者の4分の1が「パン食を減らした」やその他に「割高」「以前より食べたいと思うことが減った」と云う。一方で健康志向や伝統的な和食志向の変化と割安感において「ご飯回帰」の動きが加速している。要因として「割安感」「食べたいと思うことが増えた」「食事の好みの変化」等がある。驚いたことに3.4年前と比べ特に好きになった食事という問いに「白いご飯と味噌汁」と伝統食の基本に向かう消費者心理も見逃してはならないと思っている。 私達、花き業界の末端消費傾向も1兆円産業と世間からもてはやされて以来、下降傾向にある。過去5年間は、切花・鉢物と厳しい販売状況にあることは周知の事実であるが、種苗会社、生産者の方々の努力、花商さんの営業努力により、常に新しい品種・花色・デザイン・カジュアル等で消費者の「花離れ」がそこまでは進んでいない。流行とファッションは、形や色は変わるものの基本的なものは変化せずに一定した周知で廻ってくるのである。今の状況が「底」だとして、これから私達がするべきものは景気の動向に左右されることなく、顧客の欲しい花々や鉢物を供給することの努力と消費者が好むものを再度購入する(リピーター)のために、商品の「花持ち」「鮮度」『産地表示」を中心にサービスを考えていくべきである。 私達が生活の為に取扱っている花々が近い将来、「パン」になるか「ご飯」になるかは、花き業界のひとり一人の「思い」ではないかと思う。是非、「ご飯」と一緒に花々が今以上に消費されていくことを念頭に業界一段となっていくべきではないだろうか。 |