IndexNo:496:仕事をまかせることの難しさ

今週は、秋彼岸商戦の週であり月・水曜と前年並みの取扱高で推移している。しかし、平均単価は大菊類の価格落ち込みが影響し、10円位安い取引であった。今日の金曜に期待していたものの、台風の影響で入荷量が減少し、花商の在庫過剰もあり思った以上に販売できないでいる。台風13号の被害に関しては、今朝セリ中に県内外の各地区の生産者に連絡して確認をしてみた。日南地区の一部、都濃の一部がハウスが浸かる被害が出ているようだが、被害は大きくなく安心している。もし、被害の大きな生産者の方がいらっしゃれば連絡をいただきたく思っている。

敬老の日に市内中心部と量販店に小売視察に行ってきた。状況としては例年並みか若干であるが、プレゼント用の切花・鉢物が伸びているようである。それから、市場近くのイオンモールに行ってみると、家族と一緒に歩くお爺ちゃん・お婆ちゃんの姿が多かった。この日に思うことであるが、最近のご年配の方々は、男女共にお洒落(洋服や持ち物・アクセントで)な方々が多いことを感じた。で、買い物のことで気づいたところでは、お爺ちゃん・お婆ちゃんが「孫」や「家族」に物を買ってやっていることに驚いた。敬老の日に物を買ってもらうことより、買ってやる楽しみと一緒に買い物に来ている喜びの方が大きいのだろうと思った。宣伝ではないが「物より思い出」である。イイ時代になったものですね。

先週の講演とコラム記事に関して、道経会会員の方からメールをいただいた。内容としては「社員・部下に仕事をまかせる」ことの難しさであった。私が結論じみたことは云える筈はなく、経験上のことをお話することにした。市場に営業として勤めて5年位の時に、時の社長から「この仕事をまかせるからやってみろ」とのことで一生懸命頑張った時に、社長から突然に注文をつけられて、やり直しをするように指示があった。私は「まかせると云ったじゃないですか」と反感し文句を云ったら、社長から怒られた。その時に私は「まかせるなんて云わなくて全部指示してくれれば、その通りにやったのに」や「結局は、まかしていないのではないか」と思ったことを今でも覚えている。今思い出してみると、なんて勝手なもの云いと思うが、ちいさな人間、自分で責任をとれない怖さがあるので責任を人になすりつけてしまうのである。

その私が、社員を育てていかなければならない立場になると色々と考え悩んでしまうのである。しかしながら、「社員にまかせる」ということは、言い換えると仕事を通じて一人前になることと責任の重大さを理解して仕事を成功してくれることを望んでいるからである。つまり、自分が責任を取る形で仕事を与えていかなければ、やがては自分で何も考えられない、判断できない「指示待ち人間」になってしまうからである。だから、やり直しや細かい注文や文句を上司が求めたり云ったりすることは、その指摘から気づいて欲しいことと次の段階へのステップとして理解してくれればと思うのである。

「まかされる=責任を持たされたことを自覚した上で自分なりのやり方・仕事を打ち出す」ことであり、いつまでも成長しない・期待されない社員は「まかされる=自分の都合ですすめられる」と勘違いしているからである。「まかせる」というのは「好き勝手にやっていいと云うことではない」ことと責任を分担させることを「まかせる」という意味だと思っている。