IndexNo:497:短観・5年ぶりのマイナス数値で思うこと

お彼岸中日を終えて、今日の金曜は白大菊の2L品が相対、ネット(Web)取引共に引合いが強く好調に販売されている。LM品は入荷量が多く苦戦している状況であった。洋花・草花類ともに強含みの取引となっている。鉢物は、先週の台風の影響で小売が伸び悩んでいるのか、洋ラン類、草花、苗物の一部を除き苦しい展開となつている。

世間では、自民党の麻生新総理の誕生で景気対策に本腰を入れてくれるものと大いに期待をしているところである。しかし、日銀が10月1日に発表する9月の企業短期経済観測調査(短観)がおよそ5年ぶりにマイナスに転じる見通しが高まってきたとの報道があった。また、企業の景況感を示す景況判断指数(DI)予想値は大企業製造業でマイナス2と6月から7ポイント悪化する見込みとなっている。

私たち地方ではどうか?と云うと。新聞報道より大きくマイナスに転じていると思っている。花き関係は、例年並み若しくは若干の単価安相場での取引をしているが、他の生鮮品は非常に厳しい状況下にある。今朝も青果と水産関係の方々とお話する機会があったが、9月は前年比90%以下の落ち込みで推移しているとのこと。

当社では、ここ数年の鉢物の取扱高において、ようやく下げ止まりが見えてはきているものの、これから県内外の園芸店・量販店との取引において伸ばしていくにも運搬・人件費等の経費が増えてくる。そうなると最低限の経費で効率よく仕事量をこなしていけないだろう。取扱高を伸ばすことは、利益無視でいくと簡単に伸ばしていける。しかし、利益を追求していかなければ永く続けられる筈はなく無理な話である。

切花も鉢物も一番の大きな問題は1月以降の取引価格にある。生産者の生産原価も原油価格の下落で少しはコスト(燃料費等)が下がってはきているが、経費が掛かる分に価格に反映できなければいると入荷量に響いてくるし、買い手も安定した仕入・販売ができなくなり、取扱量、取扱高減の状況になってくる。そうなると市場格差において伸びる市場とそうでない市場と分かれてくると思っている。地方でも都市部の市場でも安定入荷・販売の責務をどのようにしていくかがポイントになっていくだろう。