IndexNo:520:全国的な消費拡大事業である1000分の1構想について

昨日掲載の「コラム」予定が、決算書、元帳の転記等で今日になったことお詫び申し上げます。

今週は、母の日前週と云うことであるが、菊類(白大)以外はもちあい相場での取引であった。昨日の金曜あたりから白菊の価格も戻りつつあり、来週にむけて多少なりとも良い影響を与えてくるものと思っている。鉢物に関しては、県外市場の前情報で心配はしていものの、カーネ・アジサイ・バラ・洋ランと好調に販売できている。明日は、大分まで4tトラック2台にて鉢物の相対商品の集荷に行くので、鉢物市の入荷は増えてくる。切花が苦戦している分を鉢物の担当者がカバーしてくれているし、両担当者の協力も絶対的にあるので、来週の母の日商戦は切花・鉢物と大きな期待をしている。

先週の火曜より長崎に九州花き卸売市場連合会の総会に行ってきた。長崎の市場の方々ご苦労が身を結び、素晴らしい総会であったことに敬意を表したい。総会後に「消費拡大検討委員会」における検討経過について協議を行なった。花き業界における、一世帯当たりの切花購入額は、平成9年の13130円をピークに平成21年度には10327円と21%減。花き生産額も平成10年の6345億円をピークに平成18年には4794億円と24%減。花き卸売市場の取扱高は平成10年に5833億円から平成19年は4632億円と21%減であり20年度は4200億と悪化の一途を辿っている。

前文を見て理解できるように、ここで全国的な「消費拡大運動」を行なっていかなければ、更なる厳しい状況に落ちていくのは間違いないと確信している。ここ10年間で生産・流通・消費と2割以上も減少している極めて深刻な事態に遭遇している。ここで私達市場が加盟している日本花き卸売市場協会がリーダーとなって「日本花き業界の再生」としての1000分の1構想で諸団体の参加を得て、全国的に「花き消費拡大」を行なうように現在、協議をしている。1000分の1と云う数字は、1市場20億の取扱高であれば、年間200万×3(生産者・市場・買参者)で600万の負担をすると云うものである。国内で12億円を集め、消費拡大事業(媒体を使ったキャンペーンや教育事業等)を行なう。まだ、初期の行動計画書の段階であるものの、ここでアクションを起こさなければと云う気持ちを私自身持っている。

全国の市場の中には、個々の事情があり資金的にも厳しい会社が多くある(当社も同じ)と思うが、これからの協議の内容次第では是非、検討してもらいたい。今でこそ、鉢物の状況が良くはなってきているものの、平成10~13年のガーディニングブームの時に将来の手当てをしていれば、ここまで鉢物業界が落ち込むことはなかった筈である。切花も鉢物の落ち込みをカパーしている時に「仏花需要」を含んだ消費拡大等に先を見越した「投資」をしていれば、今の厳しい状況にも耐えれる業界になった筈である。

人から学んだことではない。私自身が多くの県外を含めた消費拡大事業をみて思ったことである。それは、内容が5年も同じもので、花の無料配布や生産者出品が毎年同じ品評会の開催等。私たちの世代では、このまま取扱高を伸ばしつつ、経費を節約すれば生き残るでしょう。しかしながら、次の世代やその次の世代は、自己防衛手段で決して生き残っていけないでしょう。まだまだ協議の段階ではあるが、国内の花き業界が一団となって取り組むべきものであると思っている。