IndexNo:545:東京都心の1本100円のバラ販売で思うこと

今週の切花は、昨年比に於いて取扱量は増加しているものの、取扱単価は落ちている状況である。婚礼需要でバラを中心に葉物、一部草花類は好調な販売であったが、葬儀需要の減少で菊類、球根類は軟調な取引となった。鉢物は、取扱数量は昨年並みであったが、取扱単価が上がったことで取扱高増となっている。

4日、5日と農水省に行くことで、空いた時間で都内(渋谷駅)の花店を視察してきました。多くの花店が出店しているなかでA社は「ROSEフェア」をメインに多くの顧客に支持を受けていました。1本単価は168円、規格で2L~Lサイズの商品であり、産直をアピールしての販売でありました。また、路上でたたみ2畳程の折り畳みテントで1本100円のバラも販売している業者の方もいて、花束・アレンジも2000円~3000円でボリュームのある商品であり、多くの人で繁盛してました。この1本100円のバラは50cm~60cmの輸入バラで、手に持ってみても水揚げも丁寧にされてあり、花びらもシミひとつない商品で1束(25本)を購入する女性の方(顧客年齢50歳以上?)が、多かったようです。

都心で168円から100円でバラを販売するお店もあれば、1本300円以上で販売しているお店もあります。「最良質」で尚且つ「安価」な商品を提供するユニクロを中心に消費者から大きな支持を受けている昨今でありますが、花々も、より良いものをより安く販売するシステムが増えつつありますね。宮崎県内では「道の駅」での産直販売や「○○市」を中心にした安価な販売をしている店舗等が消費者の支持を受けているようです。

「物が良くて安ければ売れる」ことは良いことですが、先週もこのコラムで書いたとおり、『産地表示』だけはお願いをしたいと思います。何も知らないで購入する消費者が「この花は、咲かなかった、日持ちしなかった」では、必ず、ツケが回ってくると思うのです。前にも書きましたが、苗物の「プランター用の土」の販売で、消費者に花々を育てる意欲をなくした一例もありますし、その信用を取り返すことに5年掛かった事例もあります。消費の需要拡大には賛成ですが、販売責任も再度考え直していかなければ「真の消費拡大」と云えるのでしょうか。