IndexNo:547:デフレ状況で思うこと
今週、切花は昨年比において、取扱数量は微増であるが取扱単価は大幅に下がっているのが現状である。原因としては、冷え込みが続いていて小売事情が厳しいことと葬儀需要の落ち込みも影響している。また、バラ、一部草花、葉物の価格だけは22・23日の婚礼需要の為に高値安定が続いている。鉢物は、野菜苗が減少して花苗中心であるが、先週末の雨の影響で弱含みの取引となっている。シクラメン、ポイン等も弱気配であった。 16日夜のNHKのニュースに於いて『デフレの影響でますます深刻になる経済』と云う記事の中で安価な自動車販売のことが特集であった。販売側は「物を安く」して販売して、消費者側はそれを購入していく、そして良く売れる。今の景気の悪さを考えてみるとアウトレット商品等の販売が好調のことで当たり前のことと思っていました。しかし、細かな部品を作っている零細な街工場では、納品価格が1年間に3~4回と下げられており、日曜や休日などには家族労働で対応して製造しているのが現状だとのこと。納品業者は、そこまでしなくては「倒産」や「従業員の減給」に繋がっていくので、今は耐えるしかないと重く口をひらかれていました。 物が安く買えれば消費者は喜ぶこと、逆に物を安くするには製造、流通の段階でコストを下げるしかないことは当然のことであります。花業界では、どうでしょうか?生産者の庭先販売から百○市、道の駅、産直売と「安売り合戦」のように売られてはいますが、都市部の産直売では「鮮度を売り物」として「安売りはしない」と販売傾向も変化しつつあるようです。これは、地元生産者団体の調査で「産直等の販売での安売りが市況に影響してきて個々の取扱高(収入)で減益状況になっている」とのことで、花々の流通を再度、見直した結果であるとのこと。 私は単に「安売りがいけない」とは思っていません。私も消費者側で買い物に行けば、当然安売り商品に手が届きますし、安いものを捜していくことも本当ですから。しかしながら、商品の全部が安いと云う減少であれば、世間の景気が悪いから、一部を除き、金が回らないから安くなると思うのです。経済が良くないと金が回らないので就業者に金が回らないし、買いたい状況であっても買えないと云うのが現実となってくるでしょう。『デフレだけは避けたい』と感じている件に関しては、賛否両論あると思いますから、当社の生産者・買参人の方々とも今後も協議を続けていかなければいけない重要な案件だと思っているところです。 |