IndexNo:557:市場、生花店の会計経営の実践について
今週の切花は、月、水曜日と入荷量で前年並み、取扱高・単価ともに前年比ダウンでありました。葬儀需要が落ち着いてきたことと、水曜日に九州生花商連合会の大会が熊本で開会されたことで多くの買参人が出席してたことが原因だと思っています。今日の金曜日は、買参人の数も多く、単価高で全体的に堅調な取引でありました。鉢物は、前年を取扱数量、単価ともに上回っており、これからの春植えシーズンにむけて幸先良い、強含みの取引でありました。 先日、出張先でこのコラムが縁でお付き合いをさせて頂いている方々で、5人グループの生花商の方とのお話する機会がありました。その話の中で「花き業界の経営者は会計経営を実践されている人は何%位いるのでしょうか」との質疑がありました。私は、利益を出すための仕入高と売上高、そして技術、サービスは会社(生花店)経営で大事なことでありますが、いちばん大事なことは『利益よりはキャッシュフロー(お金の流れ)』だと伝えました。それは、会社(法人・個人)がどんな時に倒産するのかと云うことです。それは「お金が無くなった時」だと思うのです。色々と考えの違いはあると思いますが、今週から私なりに実践してきたことをコラムで書きたいと思います。あくまでも、個人の経験と実践によるものですから参考にしていただければと思います。 まず、会社の状況がひと目でわかる決算書でありますが、項目ごとの仕分や決算書(財務諸表)を作成できなくても、「見方」「読み方」さえ知っていれば問題ありません。しかし、経営者として基本的なことだけは知らなくてはいけないのです。それは、貸借対照表(BS)がひとつ。これは会社の安全度をチェックするためのものであり、倒産するリスクがどれだけあるかを見るものですね。また、①中期、長期的に会社の安定を知る『自己資本比率(純資産÷資産)』②短期的な負債の返済能力を知る『流動比率(流動資産÷流動負債)』で見ることもできますが、一般的な「流動比率」は、115~120%くらいあれば安全だと云えると私は思います。これは、戦略的な投資額で増減する場合もあります。 そして、損益計算書(PL)がふたつ目。これは店舗や会社の売上やコスト、利益の増減をチェックするためのものです。①『利益率(利益÷売上高)』等は皆さんも私も知る限りですね。私は、市場の取扱高が増えれば貸借対照表の資産がどれだけ増加したのかも見ます。『資産回転率(売上高÷資産)』これは、会社の元気度や会社の活力をみていくことで重要なポイントであります。しかし、資産回転率だけが高ければ良いと云うわけでもありません。取扱高を増やしていくことには経費が増えるものとみるべきで売却資産の有無等を考えれば倒産という危機があることも事実であることを忘れてはいけませんね。基本的なことは以上でありますが、来週は、経営上最も重要なキャッシュフローについてお話していきたいと思います。 |