IndexNo:630:国内産地。今、結束していかなければ

今週の切花は、取扱数量においては前年並みの入荷でありましたが、取扱単価が下げ、取扱高も大きく減少しました。前年、この時期は高値での取引が続き、輪菊を例としても、ここ数年で最高の取扱単価で販売されました。現況は全品目同じく弱含みの取引であります。彼岸明けは、菊類をはじめ全国的に入荷数量が減少傾向にあるようです。市場をあずかる者として今週の取扱高減は厳しいものになっていますが、取扱数量だけは前年をクリアしているので、これを励みに今後の取引につなげていこうと思っているところです。尚、鉢物は好調に販売できており、取扱数量をはじめ取扱高・単価ともに前年を上回っています。台風15号の影響も気になるところでありますが、担当者の努力によって今の状況をキープしたいところです。

先日の日経新聞の記事にEPA(経済連携協定)のことで、野田首相とコロンビアのサントス大統領は共同研究の早期開始で合意したと云う記事がありました。2010年のコロンビアとの貿易は1500億円の規模で主にコーヒー・切花を輸出して自動車やゴム製品を輸入する構図です。コロンビア等の中南米の国々は鉱物資源や農産物を輸出の主力としている国が多いのですが、自国通貨高の問題で原材料や部品等の輸入で実質コストを低下させていますが、農産物はその恩恵が少ないと聞いています。だから輸出入益の目減りを被りかねないために打開策を急ぎたいのではないかと思います。

当社をはじめとする全国の花き市場で輸入切花は毎年のように取扱高が増加して、今では国外産地としての重要な役割を持っているのは事実であります。しかし、国内農業のことを考えると占有率をある程度の数字で抑えていかなければいけないと思っています。国内の食料自給率も年々減少している中で、将来、いや5年後の国内花き生産農家が私たちの欲しい商品のニーズに応えてくれるのかが問題視されるところです。消費拡大運動においても、市場側・花商側・生産者側の意見(○○側の置かれた立場)をまとめていかなければ、「後悔することになる」と思うのです。輸出側は攻勢をかけて、受けてたつ国内産地が、いやJAだとか、個選だ。切花だ・いや鉢物だとか云う問題ではない筈です。今だからこそ「結集」して誰かがリーダーシップを発揮していくべきではないでしょうか。日経新聞を読んでいると国際的な経済情勢も日々変化しています。私たちができることから考えて行動していきませんか。次の世代へ渡す前に、今私たちで皆でやりましょうよ。