IndexNo:634:花き業界が生き残れる本質・中心・最重点
今週の切花は、取扱数量でようやく前年並みとなりました。洋花・草花ともに相対・Web・セリ売りと取扱単価も上がり全体的に堅調に取引されており取扱高も大幅に増加しました。菊類に関しては、各色ともに入荷が増加してきて14日(金)は高値相場も落ち着いてきたようです。しかし、まだ前年比単価よりは高値での取引となっていることで花商の皆さんも仕入資金の面でも厳しい状況が続いています。来週後半は、ようやく通年並みの入荷量となるとの報告がありましたので全体的な流れも例年並に戻るのではないかと思います。鉢物は、取扱数量は減少したものの、取扱単価は上がり取扱高は前年並みと云う数字となりました。 12日から13日と岐阜の中央卸売市場と金沢の場外売り場の視察研修(協議)に行ってきました。とくに岐阜の中央卸売市場は宮崎市場の開設時のモデルとなったことで青果、水産棟の建物の作りがほとんど同じでありました。経済面では名古屋市場との競争が激化しており、相対販売が主であり、セリ売りは減少傾向とのこと。金沢では「近江市場」に視察に行ってきました。近江市場はほとんどが卸売価格での販売が店頭でされていて、青果・水産・花きと100件以上の店舗が競うように声高らかに元気に販売されていました。 ここで水産関係者の方とお話しする機会があり、いろいろとご意見をいただいたところです。集約しますと、「若い人の魚離れ」についてですが、昔は母と買物に行き「魚屋」さんで刺身を注文すると目の前で形のよい魚と新鮮なものをさばいて調理してくれていたこと。その時に魚をさばく手順を見よう見まねで覚えて帰り、母と話をしながら包丁の使い方を覚え、台所の手伝いをしたものです。現代では「パック」され値段がシールされており、午前中に調理されたものは20時頃になると「刺身の色」も黒くなって食べようとも思いませんね。昔は常に新しいものを用意してくれて新鮮でした。当社の社員に聞いても「刺身」=「新鮮ではない」との評価です。皆さん、よく考えてください。消費者が買い易くしたことの「パック売り」が刺身に関しては、逆にマイナスになっていること。「カット野菜」も便利ですが、若い主婦の方が包丁を使わなくなるようになったことは、業界が「そうさせている」のでないかと思うのです。『楽にできる』ことは月日を重ねていく内に「買わなくなる」と云うことではないでしょうか。 では、私たちの花き業界では如何でしょう。店頭には、花束やアレンジ・鉢物のラッピングした商品を並べていますね。すべてに綺麗にみせる工夫がどの店でもされています。私たちの業界では、『お客様に好みの花々を選んでもらう』ことが本質となり、『お客様の花々が折れないよう、痛まないように持って帰っていただく』と云うことが中心となり、『お客様が花々をお家やギフトで相手方に飾っていただき心を癒してくれる』と云う最重点があります。花束・アレンジ・鉢物のラッピングもお客様の目の前で行うことが他の業界と違うところです。そういうひとつの流れがある限り、私たちの業界は『繁栄はあっても衰微はない』「繁忙はあっても閑散はない」はずです。お客様に『楽をさせる』ことより、お客様に『想いを持っていただく』ことを大事にしていきましょう。そうしたら『○○離れ』は起きないはずです。みんなで基本と実態を再度確認して努力していきましょう。 |