IndexNo:662:沖縄・糸満女性の視点を変えた仕入・販売の仕方で学ぶ
4月第4週から5月母の日前週月曜あたりまで、殆どの品目で相対・セリ同様に取引全体が鈍くなってきている現状ですが、切花で取扱数量は増加、取扱単価は下がったものの、取扱高だけは前年比増となっています。今週に入ってから、白大菊類の値が下げて軟調な取引が続いている状況です。鉢物は、前年(前年は母の日2週前)と比較してはいけませんが母の日の3週前で小売事情も弱気配での取引となっているようです。 今日は、沖縄の糸満に住む、漁港の夫婦のことをお話したいと思います。この夫婦の方々、ご主人は漁に出て「魚」を獲ってきて、その魚を奥さんに売り、ご主人から購入した奥さんは、陸地に「魚」を売りに出かけ、その利益で生計を建てているそうです。最初に聞いた時は驚きましたが、「夫婦で商い」をしていくこと、そして、労力を掛けた分の自己報酬を確実に得ること、私が知る範囲では、このような話は聞いたことがありません。 このことは、ご主人は家族の為に必死で漁に出かける、奥さんは漁に出られないときのことを考えて、自らの『行動』で家族の生計を計画していく。まさに視点を変えた発想から考えた「自給自足」の基本的な生産販売計画です。花き生産に例えてみると、ご主人が花々を生産して、奥さんが最低価格で購入して、その商品を奥さんが販売(出荷)をしていくことと同じですよね。 ここで、私が皆さんにお伝えしたいことは、「売る側」・「買う側から売る側」になることを変化させていくことの逆転の発想である販売取引をしていき計画を建てていく。このことは「商品を見極める力」と「商品を販売できる行動力」を生産する側も市場側も持たないといけないと云うことです。花々の生産者の方もご主人は生産に励み、奥さんが販売先を決めているご夫婦は数多くいらっしゃいます。しかし、前項の場合はまったく違います。各自独立しての取引であり、仕入・販売でもあるということです。この糸満の女性たちは、しっかりもので良く働く女性で「嫁は糸満からもらえ」と言われているそうです。私たち、市場で責務を追っている者たちも「視点を変えた販売する力と行動力」を持って努力していけば、必ず、まだ見えない先の光が少しずつ見えてくると思うのです。 |