IndexNo:675:「社員は貴重な戦力であります」

今週の切花は、秋彼岸商戦も終盤にかかり、前年と比較して、17日(月)は祭日も影響してか取扱数量は減少しました。しかし、取扱単価は昨年より高く取引されています。19日・21日と取扱数量も増加し、単価も高く、比例して取扱高も増加となりました。秋の彼岸は仏花需要での小売事情も厳しく、全体的に横ばいもちあいでの取引となっているようです。鉢物は秋苗物も増加しているものの、取扱単価は若干下げて、取扱高・数量共に微減という結果になりました。鉢物に関しては、新規取引先が2件増加したものの、中堅の買参人がセリ権を辞退される(廃業)になり、今後の営業活動に「渇」をいれていかなければいけないと思っているところです。

最近の新聞を見ると「先手」が打てない政府・企業のことが遠まわしに書いてあることが目立ちます。もちろん国策として国際社会での立場もあるでしょうし、TPPなどは将来の国民生活にとって本当に必要なのか、国民の民意をもっと議論すべきでありすね。また、企業の「先手」を打つことについては、情報収集・資金・時間そして労力がひとつのキーとなってくるはずです。それらの問題をクリアしたあとの段階において、はじめて「先手」を打ち続けることができるのであります。確かに「足元を固める」ことと「将来にむけて先手を打つ」ことは、どちらも安定した経営には欠かせない重要な要素だと思うのです。私は多くの企業をみて思うことがあります。それは、たとえ従来の仕事のやり方ではエキスパートでも、組織が新しい仕事のやり方を指向するとき、すでにその人達が邪魔者と化しているのが実例なのです。

先週もコラムで書きましたが、花き市場ではWeb(ネット)を使った販売革新が行われています。その革新が、著しい営業の販売部門やその販売のために必要とするシステム変更等で、うまく適応できない人のみならず、営業・マーケティング部門などでも、取扱減の場合には、簡単に訪問件数を増やそうとするだけで、戦力的な策を打ち出せない人達が多くみられるようです。決して、私個人が、その点を他の市場経営者や管理職に比べて「策」を持っている訳ではありませんが、このことは、ひとつの「戦略を経てる基本的な考え」として現状の停滞した市場のために解決できる手段だと思っているところです。

人は仕事を通じて能力を伸ばすのに、私達、役員や会社のベテランだけが重要な実務をこなせば、それ以外の人達は「いつまで経ってもその仕事を経験することはできない」ということになります。能力開発のチャンスを与えないなどということは、役員(管理職)の気まぐれや1個人の都合で行われてはいけないと思うのです。社員は私一人のための戦力ではないし、会社の貴重な戦力ですから。また、一社会人としての社員の存在を認めることであるし、その社員の将来に対する責任の一部を私達は担っていると思います。『これからが大事』なのです。