IndexNo:692:「この仕事は何のため?」と云う目的意識を忘れてはならない。

今週の切花は、取扱数量・単価共に前年第3週比として増加・高く取引されました。菊類を含めて品薄高での市況が続き、買参人・仲卸の皆様にはご迷惑をお掛けしているところであります。この菊類も2月初旬もしくは10日以降には潤沢に入荷が見込まれる予定であるところです。では、何故この1月の時期に毎年出荷が少ないかと云いますと、燃料代の節約であると思われます。生産者側からすれば昨年末に重油が再度上がったことで、ハウスの温度設定を考慮しながら生産しなければいけません。

大菊に例えますと、苗1本から育て、定植してから約4ヶ月のスパンで出荷となることで、1月~4月出しとなると成長までの暖房費用が寒気の影響もあってプラスアルファとなって膨らみます。今の時期はギリギリの設定温度で生産され、ダラダラの出荷が続くことで、入荷量がまとまらないことが云えるのです。菊類に限らず、球根類を含め、全ての品目でいえることなので現況をご理解してほしいと思います。買う側からしてみれば、直接に生産現場を出向くなりして、現在の実情を把握されることもお勧めしたいと思っているところです。また、そのような生産地視察を兼ねた、生産者と買参人・仲卸との協議も今年は実施したいと思います。鉢物も切花同様に取扱数量・単価ともに増加して堅調な取引ができました。

「飯の種」だけではないとすると、では何のために仕事をするのだろうか?・・・これは、昨日に行った食堂での青果のパートさん達の会話・・・。「人はパンのみにて生きるものにあらず」とは、有名な言葉でありますが、これは、私たち人間が永い間にわたって自問自答し続けた命題でもありますね。これは、今の生き方が「充実した人生だから」という解答もありますが、現実的には個人の価値観によって、数限りない解答があるでしょう。

この問いを、日常の仕事レベルに落としていくと「この仕事は何のためにやるのか」になります。再度、この仕事の目的を問い直してみることも大事です。実はこれが、成功へのキーワードであり、仕事学の第1歩だと思っているところです。仮に私たちが「契約を取る」(販売を完結していく)とすると、それが目的であり、ゴールだと云う事です。ポイントの第1は、その目的を忘れるなということであり、人間はあるゴールに向かって走り出すと、時として走ることが目的となって、何のために、どこへ向かって走っていたのかを忘れてしまうのです。目的と手段の取り違えでありますね。第2に契約(販売)をとるために、今やっている仕事(訪問営業・顧客相談・情報発信)は本当にしているのか、顧客に利益をもたらしているのか。私たちの本来の営業が必要不可欠なものなのかも考えていくべきだと思うのです。ムダな仕事にエネルギーを費やしているケースもけっこう多いのです。「目的に対する手段は適切か、効果的か、もっと有効な方法はないか、などと考えるべきことがらが次々と出てくるものと思います。「目的は何か」「最善の手段は何か」これらは物事を始めるにあたっての第1ステップであり、時として反省するキーワードでもあります。仕事は与えられたから、無条件にやるものではないし、疑問を呈し、納得してやるものと思っています。その糸口が『何のために?』というトップダウンの考え方であります。

以下、昨日の社員に贈る「社長のメッセージ」から抜粋
新システムにおいて、自分たちが『楽』になろうとして、機器に頼ってしまう、何も行動せずに、物を大事にせずに「売れる」ということを念頭にしてしまったら、お客様は、よりサービスの良いところへ逃げてしまいます。私が云いたいこと、それは「新システムはお客さまの利益に繋がるものにしていかなければいけない」「市場の基本である荷物を集荷して販売する」こと。

Web(ネット)ありきの話で進んでいますが、Web(ネット)で購入している顧客は果たして何人いるのかを考えてみましょう。逆にWeb(ネット)以外、もしくはセリ中心で仕入をされている顧客の方が、全体をみても購入(仕入)額が多いと思うのですが如何ですか。

私は、システムな大事な営業アイテムだと認識しています。会社で用意するお金も、ようやく捻出できる範囲まできました。ただ、会社が用意してもみんなが「物を大事に」「物を使いこなす」「時間的な短縮によっての費用対効果または成果が出る」ことができなければ、マイナスどころか会社は潰れてしまうでしょう。宮崎中央花きは、様々な協議を重ねて、「お客さまに先に儲かっていただくこと」を目的として今後も努力していきましょう。代表取締役 小倉幹哉