IndexNo:752:本気で取り組む、CS(顧客満足)
今週の切花は母の日商戦も終盤となっての取引となりました。取扱数量で5日(月)は増加、7日(水)・9日(金)は微減となり、取扱単価は前年安となりました。葬儀需要での菊類をはじめとする草花は弱含みの取引となり、カーネ・バラは前年並みの取引で推移しました。取扱高は5日で増加したものの、7・9日と減少となりました。鉢物は相対注文も好調で推移しました。取扱数量は増加、取扱単価は高く、取扱高は前年比15%増となっています。切花も鉢物もWeb・相対と好調に販売できていますが、セリ売分の販売に問題を生じる結果となり、「従来の物日」の対応をしていかなければいけないこと実感しました。 本来、商品を手にして相対価格を決めることになりますが、「母の日」となると品目全部の産地に足を運べずに電話連絡だけで販売してしまうものもあります。しかし、花商さんに販売する前に「現状商品」を判断して売らなければクレームの「元」になってしまうのです。市場の営業は出荷側・購入側の真ん中に立っていかなければいけませんが、顧客満足で考えれば、「営業社員の対応が決めてとなる」ように言われていますが、このことが誤解を招く結果にもなるのですね。 言葉というのはやっかいなもので、口にしているだけで、何かを達成しているような気分にさせてくれます。そこに落とし穴があるのです。「顧客本位」という言葉をスローガンとして唱えたり、「お客様第一」を就業員に言い聞かせたとしても、そこで顧客志向の市場となれるわけではありません。多少は、顧客への対応が丁寧になるくらいの効果はあります。営業社員の応対が丁寧だとか、気配りが行き届いているということは、もちろん重要なことでありますが、その個人の対応にも限界があります。個人の「技量」というのは、非常に不安定でバラツキがあるのが普通だし、ひとつ間違えると、人間関係だけで取引をつなぎ止めることができると勘違いをする営業社員なども出てくることになるのです。 市場として取り組まなければならない「顧客満足」の中身とは、いままでの「作り手発想」「売り手発想」と「顧客の立場からの発想」とのズレを調整して、真の「営業」「流通」「サービス」を創り上げることであると思うのです。一時のCS(顧客満足)のブームが去った今こそ、本気で取り込む市場にだけ、その成果をものにする可能性が出てくるものと思います。 「当市場は顧客満足のこと{も}考えている」という中途半端なスタンスで「顧客の求める真の価値は何か」をつきつめることはできません。『顧客満足だけが当市場の資産である』と言い切ることができる会社でなければ、生き残れないのです。 |