IndexNo:754:花き市場が考える、花々が「成熟産業」であるとの答えは誤解である

今週の切花は取扱数量で増加し、取扱単価は高く、取扱高は増加となりました。5月単月の取扱高は減少となりますが、昨年は5月第1週の水曜売り日が一日多く、セリ日売上比較で考えると前年並みとなります。今週の取扱数量は多くなっていますが、昨年と比べて1週早めの入荷量で推移しており、来週は菊類を中心に厳しい取引になってくると予想しています。しかし、今日も他県市場と比較しても「もちあい」取引で推移しており健闘はしていると思います。鉢物は取扱数量・取扱高はやや減少しているもののWeb販売は好調で取扱単価は前年比高となっています。

今日14時より、当社第20期定時株主総会が開催されました。場内の青果2社を含む多くの株主にご参加いただき無事に終了致しました。26年度の営業方針についても賛同いただきましたし、27年度中に開始する新規セリシステムによる営業戦略についても説明し、株主の皆様にもご支援いただけるものと確信したところです。

花々を「嗜好品」と云う人が多い。嗜好品とは「たしなみこのむことである品物」と云いますが、果たしてそうでしょうか。今の時代では若者の「○○は嫌だ」「○○は料理できない」と云うことは良く耳にする言葉です。その若者から「花は見たくもない、さわりたくない」とのことを耳にしたことは一度もありませんよね。むしろ生鮮品の中で花々の持つ「やさしさ」「綺麗」「かわいい」特性を消費者の方々はご存知の筈です。

「成熟産業」といったように「成熟」というのは、「もう市場の伸びが期待できない」「大きな変化が起こる余地がない」という否定的な意味合いで使われることが多いです。また、その一方で本業が頭打ちだから、その他の新規事業を立ち上げなければ生き残れないということも主張されることも多々あります。もちろん本業の「セリ業務」の他に新規事業を軌道に乗せ、経営の強化を図るというのは正論であります。しかし、新規事業を立ち上げて軌道に乗せるということは並大抵の努力でできるものでもありません。それをあまり簡単に考えて本業の「セリ業務」が苦しいからという理由だけで、取り組んで失敗もあると思うのです。

結論を云えば「成熟産業」では、まったくの新規事業を起こすだけが「答え」ではありません。成熟したと云われている『本業』で・・・『革新』をお越し、新たな需要を喚起することは充分に可能なことだと思うのです。「誰でも買っている」「商品が行き渡っている」「どの家庭にもある」「誰もが持って(在庫)いる」という、成熟した状態からが本当の市場間競争だと云えるのでないでしょうか。市場(しじょう)全体は頭打ちでありますが、販売のチャンスが減ることを意味するものではないと思います。花々の『買い替え、買い増し』という需要は半永久的に続くと考えていいはずです。それが私の基本的な営業方針です。