IndexNo:774:飛ばないテントウムシと若い世代を作り上げることは同じ

今週の切花、2日(月)〜6日(金)は取扱数量は減少したものの、取引単価は高く、取扱高も前年比増となりました。先週のコラムでお話したように来週は大菊が各色ともに激減するようです。南国宮崎でも明日、明後日共に0度の予報が出ており寒い日が続きそうですので葬儀需要での仕入に関しては注意が必要だと思います。今週も好調に4販売できたバラ系と草花類は取引単価も高く、2/14フラワーバレンタインにむけて、好調に取引が続くものと思っています。鉢物は花苗を中心にラン類も強気配での取引となって取扱数量は前年並み、取引単価は高く、取扱高は前年比増となりました。

先週のコラムにて予告しましたように「飛ばないテントウムシ」についてお話したいと思います。テントウムシは本来、農産物の汁を吸う害虫のアブラムシの天敵として、ビニールハウス等で使用されるようになりましたが、害虫の天敵として仕事をしないテントウムシが増えてきてハウスの天井まで張り付き始めてきたのです。また、畑に放っても帰らずに飛んでいってしまうのですね。それを克服するために2014年6月に画期的な「生物農薬」として「飛ばないテントウムシ」が発売されたのです。飛ばなければハウスの天井に張り付かない、畑に放ってもそのまま居座るという発想の元に考えられたものです。

この情報は、NHK・Eテレの「サイエンスZERO」で放映され、各情報誌や新聞等で取り上げられたものであります。この「飛ばないテントウムシ」を作った広島県福山市にある近畿中国四国農業研究センターではテントウムシの交配を繰り返し行い、飛ぶ距離を徐々に減少させて作りあげたということでした。また、交配の中、本来は飛べる個体から何らかの理由で誤って選抜された個体ができたという驚く結果が生まれたのでした。

花きの生産においても多くの病気があります。立ち枯れやアブラ虫やスリップス等数えきれないほどあり、生産者の方々も何十年も被害にあわれてきました。市場と生花商は売る苦労をよく口にしますが、生産の苦労も知らなければいけません。市場業界は40・50代の世代が増えてきて、若い経験の浅い営業マンが多くなってきているのも事実です。そのような若い世代に生産分野の苦労を学習させることも大事なことと思うのです。システムを使ったセリやネット販売では、『売ればイイ』ということに専念しすぎて生産者の方々の「苦労」「技術」「経営」「目標」を疎かにしています。宮崎中央花きもこれから20代前半の社員が増えてくるでしょう。これから私たちが真っ先に教えることは「荷主」「生産者」の皆さんと交流を持ち、情報を得ることではないでしょうか。情報の中から「足を動かし」「あたまで考え」「身体で知る」ことが重要なことだと思うのです。

追伸、明日から「みやざき花の祭典」がイオンモールにて開催されます。是非、足をお運びください。